ダイキンやパナが集まって実験を続けるコワーキングスペース point0が目指す快適な“働く場”とは?:新連載・オフィス探訪(point0前編)(1/4 ページ)
“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において、会社がどう対応するべきなのか? 先進的な取り組みを進める企業を訪れ、紹介していく。
オミクロン株の世界的な急拡大によって、一度は収束したと思われた新型コロナウイルスも再び日本列島に猛威を振るっている。2022年1月からは、首都圏を含めた日本各地でまん延防止等重点措置が発出された。
2年以上に長引くコロナ禍の影響は、人々の生活様式を変貌させた。それはビジネスパーソンの働き方もしかり。従来の「働く場所といえば会社のオフィス」が当たり前だった世界は消え失せ、テレワークが浸透した現代では、自宅、コワーキングスペース、シェアオフィス、カフェに至るまで“働く場”は多様化している。
本連載では、“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において、会社がどう対応するべきなのか。先進的な取り組みを進める企業を訪れ、紹介していく。
第1回目となる今回訪れたのはpoint0社。同社のpoint 0プロジェクトの一つとして東京都千代田区で運営する「point 0 marunouchi」は、さまざまな企業が実証実験を行えるコワーキングスペースとして19年にオープン。利用者に向けて、心地よい“働く場”を提供している。
point0社長の石原隆広氏に、プロジェクトの背景や今まで積み上げてきた知見、“働く場”に対する考えまで聞いた。
point 0プロジェクトとは
「point 0プロジェクト」は、ダイキン工業(以下、ダイキン)が18年に発表した空間データを活用する協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)構想」が発端となりスタートした。その後、「未来のオフィス空間を目指す」という旗印のもと、コワーキングスペース「point 0 marunouchi」を開設。
参画企業は、22年1月現在で計20社。オカムラやパナソニック、アサヒビール、JTなどが参画している。各社の担当者が入居し、保有する最新のテクノロジー、データ、ノウハウなどを掛け合わせ、AIやIoTデバイスなどを駆使した新たなオフィス空間を提供していく場となっている。
「point 0 marunouchi」では、各社が単体、あるいは協力しながら同時進行でさまざまな実証実験が行われており、その都度利用者からのフィードバックが得られる。利用者のニーズに合わせ、施設自体が絶えずアップデートするユニークなコワーキングスペースだ。今まで行われた実証実験からすでに製品化されたものもあり、今後も増えていくと思われる。コロナ禍を経験したことで、20年には大阪にサテライトオフィスを開設、全国に拠点を拡大中だ。
まず、石原社長にプロジェクト発足の経緯から話を聞いた――。
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