感染対策に1.7億円! コロプラが目指した『出社したくなるオフィス』の全貌:オフィス探訪(1/5 ページ)
コロプラは2月、東京・六本木のミッドタウン・イーストにオフィスを移転した。感染症対策に特化しつつ円滑にコミュニケーションがとれる空間を目指した。新オフィスの仕掛けとは?
連載:オフィス探訪
2年以上に長引くコロナ禍の影響は、人々の生活様式を変貌させた。それはビジネスパーソンの働き方もしかり。「働く場所=会社のオフィス」が当たり前だった世界は消え、テレワークが浸透した現代では、オフィスだけでなく自宅、コワーキングスペース、シェアオフィス、カフェに至るまで“働く場”は多様化している。
この連載では、“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において会社がどう対応するべきか。先進的な取り組みを行う企業を紹介していく。
スマートフォンゲーム「白猫プロジェクト」などを開発・運営するコロプラは2月、東京都港区のミッドタウン・イースト5〜6階にオフィスを移転した。新オフィスは科学的根拠に基づいた感染対策に特化しつつ、円滑にコミュニケーションがとれる空間を目指したという。
コロナ禍で働き方が変わる中で進めた新オフィスの仕掛けとは? 新オフィスの様子を取材した。
新オフィスのコンセプトは「科学的根拠に基づく最先端の感染症対策特化型オフィス」。同社の経営管理部 森林太郎部長は「全員出社が当たり前の時代は終わったが、ゲーム開発では一定の出社がどうしても必要になる。この二律背反をどのようにオフィスで解決できるか議論した」と振り返る。
同社によると、1本のゲームにかかる開発費用は10億〜20億円。プロデューサーやディレクター、エンジニアなどさまざまな職種が集まって議論を重ねる必要があるという。そのため同社では、以前から「クリエイターが働きやすい」オフィスの構築を進めてきた。
しかし、2020年から続く新型コロナウイルスの感染拡大により働き方は一変。他社と同じく出社率の調整や全体集会の中止などを余儀なくされた。また、在宅勤務者のケアやオンライン会議用の個室設置といった新たな課題が浮上してきたという。
理想とするオフィス環境を構築するために用意した予算は、坪単価40万円の構築費と1億7000万円の感染対策費をあわせた計10億7000万円。具体的な方針として、接触・飛沫・空気感染対策と、コミュニケーション・集中しやすい環境・充実したアイテムの「クリエイターファースト」を融合したオフィスを目指した。
森氏は「従業員に安全安心と思ってもらい、『出社したくなるオフィス』を構築することが何よりも大事だと考えた」とコンセプト決定の背景を説明する。
関連記事
- 高級椅子442脚を社員へ譲渡、朝礼も廃止──“こだわりのオフィス”を4割縮小、コロプラの決断
スマートフォンゲーム「白猫プロジェクト」などを開発・運営するコロプラは、定価で10万円以上するオフィスチェア400脚以上を社員に譲渡した。緊急事態宣言後すぐに決定した、オフィスの40%縮小がきっかけだ。もともとオフィスに強いこだわりを持っていたコロプラがオフィス縮小を決断したのには、どのような経緯があるのか。 - ダイキンやパナが集まって実験を続けるコワーキングスペース point0が目指す快適な“働く場”とは?
“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において、会社がどう対応するべきなのか? 先進的な取り組みを進める企業を訪れ、紹介していく。 - 仮眠室やシャワー室も実験会場 ワークスペース「point 0 marunouchi」で分かったこと
コロナ禍で、ビジネスパーソンの働き方は大きく変わり、今やテレワークが当たり前の世界になった。そのなかでも、point0社が運営する「point 0 marunouchi」は、各企業が常に実証実験を行っている新しいコワーキングスペースだ。 - 「クレジットカード」の利用で後悔したこと 2位「支払い能力を超える利用」、圧倒的1位は?
Agooraが運営する「クレジットカードおすすめ比較隊」はクレジットカードを所有し、何らかのトラブルや後悔を経験している人を対象にアンケートを実施した。 - 大学1、2年生が就職したいと思う企業ランキング 「任天堂」や「トヨタ」を抑えた企業は?
与信管理サービスを提供するリスクモンスターが、「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」の調査結果を発表した。 - 神奈川県の賃貸物件で「人気の駅」 総合1位は川崎、2位は?
「アットホーム人気の駅ランキング 神奈川県編」が発表された。総合ランキングの1位は川崎駅、2位は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.