仮眠室やシャワー室も実験会場 ワークスペース「point 0 marunouchi」で分かったこと:オフィス探訪(point0後編)(1/4 ページ)
コロナ禍で、ビジネスパーソンの働き方は大きく変わり、今やテレワークが当たり前の世界になった。そのなかでも、point0社が運営する「point 0 marunouchi」は、各企業が常に実証実験を行っている新しいコワーキングスペースだ。
連載:オフィス探訪
2年以上に長引くコロナ禍の影響は、人々の生活様式を変貌させた。それはビジネスパーソンの働き方もしかり。「働く場所=会社のオフィス」が当たり前だった世界は消え、テレワークが浸透した現代では、オフィスだけでなく自宅、コワーキングスペース、シェアオフィス、カフェに至るまで“働く場”は多様化している。
この連載では、“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において会社がどう対応するべきか。先進的な取り組みを行う企業を紹介していく。
コロナ禍で、ビジネスパーソンの働き方は大きく変わり、今やテレワークが当たり前の世界になった。在宅ワークだけでなく、コワーキングスペースやシェアオフィスなども活況を呈している。
そのなかでも、point0社が運営する「point 0 marunouchi」(東京都千代田区)は、「未来のオフィス空間」を実現するため各企業が常に実証実験を行っている新しいコワーキングスペースだ。施設自体もユーザーの声やニーズに敏感に反応し、リニューアルも頻繁に行う。部屋のコンセプト自体が変わることも珍しくない。そんなpoint 0 marunouchiに訪れた。
館内への入出時には顔認証を採用。入り口のドアを開けると、まず緑豊かなオープンスペースに驚く。そして、施設内にあるスピーカーからは鳥のさえずりが聞こえてくる。なんと、この音は参画企業のTOAが北海道の定山渓まで行き、そこで生息している小鳥の鳴き声を収録してきたという徹底ぶりだ。
point 0プロジェクトは、大企業を中心とした各企業が相互に連携し、快適なオフィス空間を目指し活動している。参画企業は、2022年1月時点で計20社。「point 0 marunouchi」は、コワーキングスペースとして運営しながら、その参画企業がそれぞれ実証実験を行える場となっている。
point 0の石原隆広社長は、本施設について「実証実験の場ということで、各企業が営業拠点、ショールーム的に使っている」と話す。「point 0プロジェクト」については、こちらの石原社長へのインタビューを参照。
緑豊かなオープンスペースの一角にたたずむのは、ダイキン工業の大型送風機「Wind Creator」だ。
軽井沢で実際に吹いている風の測定データを基に開発したという。送風機それぞれで風の流れが異なり、人間が心地よいと感じる「ゆらぎ」のある風を再現した。実際に筆者も体験したが、例えば一定の強さ・リズムで動くエアコンの風などは体に当たり続けると不快だが、それがなく気持ちの良い風だった。
この時期、暖房をずっとつけている部屋では顔が火照るときがある。そういう場面でも重宝しそうだ。
この「Wind Creator」をベースに、ダイキン工業とオフィス家具などを手掛けるオカムラが「ウィンドユニット」を共同開発。昨年11月に販売を開始した。9つある送風機をオカムラのオフィスファニチュアシリーズ「Lives」のシェルフに組み込んだ。point 0 marunouchiで実証実験を行ったプロジェクトとして、初めての商品化となった。(関連記事)
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