“軽井沢”の風を再現? 大型送風機「ウィンドユニット」が登場:ダイキン工業とオカムラが共同で
ダイキン工業とオカムラが、自然の風を再現する「ウィンドユニット」を共同で開発した。会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi」での実証実験を経て商品化された。
ダイキン工業(大阪市)とオカムラ(横浜市)が、自然の風を再現する「ウィンドユニット」を共同で開発した。ダイキン工業が開発した自然の風を再現する大型送風機「Wind Creator」を、オカムラが展開する家具シリーズ「Lives(ライブス)」のシェルフに組み込み、ユニットとして新規開発したもの。オカムラが11月から販売する。会員型コワーキングスペースでの実証実験を経て商品化された。
2社が共同開発した大型送風機「ウィンドユニット」は、以下4つの特徴がある。
(1)心地よい自然の風を実現
軽井沢の自然の風の測定データをもとに、オフィスの中で体全体を吹き抜ける「ゆらぎ」のある風を再現する。一定の強さ、リズムで吹く風よりも、快適に感じる風を生み出すことができるという。静音性に優れた大型のファンを採用している。
(2)空気循環により換気効率アップ
ウィンドユニットと通気性のよいオカムラのLivesシェルフを組み合わせて配置することで、空気の流れをつくる。窓やエアコンの近くなど、座席レイアウトで生じる「空気のムラ」も解消できる。
(3)風で体感温度を下げる
風が直接当たる位置では体感温度が0.5〜1度下がる。夏場は屋内の涼しさを一層感じることができ、暑がりの人に合わせた冷房温度の下げ過ぎを防ぐ。
(4)効果シミュレーション
ウィンドユニットを設置することで、空気の滞留時間を示す空気齢が改善。特に袋小路になっているエリアの空気の質の改善につながっている。
「point 0 marunouchi」では、参画企業各社の最新技術やノウハウを活用したソリューションの導入と共に、働く人の動きや生体情報、設置機器等の運用データを収集・分析し、ソリューションの高度化やサービスの創出に取り組む
ダイキン工業は自然の風が持つ快適性に着目。軽井沢や尾瀬、上高地などを含む全国の著名な避暑地8カ所で自然の風のデータを収集し、解析を進めてきた。その結果、予測できない不規則なリズムで、広範囲に当たる「面」で吹く風のほうが、扇風機などの狭い範囲に吹く風と比べ、より自然に近く、快適に感じることが分かったという。
2019年、会員型コワーキングスペースにて実証実験を開始。その際、オフィス家具の設計・製造ノウハウを持つオカムラとの協業検討がスタートした。コワーキングスペースを訪れた利用者から商品化を望む声があって、オカムラが展開するオフィス向けソリューションの一つとして発売することを決定した。
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