宮迫「牛宮城」は成功するか カギを握る“実力者”の正体と、売り上げ「1日100万円」の壁:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)
元「雨上がり決死隊」で、現在はユーチューバーの宮迫博之氏が高級焼き肉店「牛宮城」をオープンした。経営の支援をしているのは、ハンバーガー店などを経営する“実力者”。高級焼き肉店のビジネスモデルを分析する。
手助けしようと考えた理由
さて、本田氏はショーグンバーガーを自ら立ち上げてここまで育ててきただけでも、ただの飲食店の2代目ではないことが分かる。どうして牛宮城にかかわるようになったのか。宮迫氏のユーチューブチャンネル「宮迫ですッ!」によれば、本田氏の方から「動画を拝見していて、何かお手伝いできないでしょうか」とメールでアクセスしてきたとのことだ。
もともと、牛宮城は宮迫氏と、人気ユーチューバーのヒカル氏の共同事業として進められていて、昨年10月にオープン予定であった。しかし、その直前に開かれた試食会で、ヒカル氏が料理の出来の悪さに改善不能と判断。事業から手を引く決断をした。なお、ヒカル氏は、宮迫氏とガネーシャで再構築した料理を試食し、そのレベルに納得しており、現在は牛宮城の宣伝に尽力している。
宮迫氏は事の重大性を考慮し、オープンを5カ月延期して、建て直す決心をした。そうした一部始終を本田氏は視聴していて、力になりたいと考えたのだ。
本田氏は飲食店のプロデュースも手掛けていて、豚焼き肉専門店「BUTAMAJIN」、高級焼き肉「hanare」など、肉を主軸に取り組んでいる。
ショーグンバーガーの渋谷店と、牛宮城の入居するビルは、歩いて1分もかからないほどの近さだ。
宮迫氏とスタッフ3人は、早速ショーグンバーガーに出掛けて商品を購入。実食した結果、「味と肉汁」に感動した。すっかり気に入って、宮迫氏自身で本田氏に電話をかけ、翌日面会。さらには、その2日後に、富山の大将軍を訪問した。
大将軍では、寿司屋のカウンターのような肉割烹のコーナーで、柴田仁統括料理長が宮迫氏一行に、肉と富山の鮮魚を融合した創作料理の前菜、ナムルの春巻、キャビアを乗せたユッケ、七輪で焼く厚切り牛タン、松茸・クレソン・希少部位のシャトーブリアン・サーロインを使いウニを乗せたすき焼きなどを振舞った。
これは「仁」という一般に提供しているコース(注:季節によって内容が変わることがある)で、宮迫氏が有名人だから特別扱いしたのではなかった。松茸を大量に炒めるなどの贅沢(ぜいたく)さもさることながら、創作性の高い料理が次々と登場。富山の焼き肉店では1、2を争うといわれる大将軍の実力がうかがい知れた。大将軍は「焼き肉店も通う焼き肉店」を目指している。
本田氏は、以前から宮迫氏のファンだったこと、隣の店が苦しんでいるのでコロナ禍の状況でもあり助けたいと思ったこと、焼き肉店を継いで9年目になるが焼き肉では大きなチャレンジができていなくて東京で力を試してみたいなどと、プレゼンテーションした。
宮迫氏はさまざまな提案をもらっていたが、本田氏の「牛宮城を助けたい」だけでなく、チャレンジしたいという野心も買って、パートナーに選定した。大将軍とショーグンバーガーにおいて、スタッフ一行が感服した食体験も効いた。
ガネーシャは、ショーグンバーガーチェーンはもちろん、富山に大将軍を3店、ホルモン「将軍ホルモン」1店、米粉と大豆粉で作る薬膳ピザ「ショーグンピザ」2店を展開。
新店として、3月25日には、東京・広尾に新業態のフライドチキンの店「ショーグンフライド」をオープンする。
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