コロナ禍でも店舗数が約3倍! 「焼肉ライク」の“強運”とライバル不在のビジネスモデル:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
焼き肉のファストフードという新ジャンルを開拓した、「焼肉ライク」がコロナ禍でも店舗数を約3倍に増やしている。意図せずしてコロナ禍のニーズにマッチした業態となったことが追い風となった。なぜ独走状態なのか。
焼き肉のファストフードという新ジャンルを開拓した、焼肉ライク(東京都渋谷区)の出店が加速している。
3月30日にオープンする仙台広瀬通店(仙台市)にて国内76店舗となる。2020年3月の初めには28店だったので、コロナ禍の中でも2.7倍に店舗数を伸ばした。大半の飲食店が、時短や休業で苦しんできた状況下では驚異的な伸び率だ。
焼肉ライクでは集客を上げるさまざまな取り組みを実施している。まん防(まん延防止等重点措置)が明けた3月22日から28日まで、「焼肉セット」を注文した顧客に、「ごはん・キムチ・スープ」が無限にお代わりできるキャンペーンを実施している(一部対象外の店あり)。これは、まん防でなかなか外食ができなかった顧客に、焼き肉を存分に楽しんでもらおうという趣旨の企画だ。
同社では過去にも、ごはんの無限お代わりを実施して好評だったが、メニューを絞っていた。今回は対象を「焼肉セット」全般に広げた。キムチもスープもいくらでもお代わりできる大盤振る舞いだ。
また、3月1日から26店舗限定で、ネットの専用サイトで予約すれば、60分で1人なら550円、2人なら1000円で、ハイボールとレモンサワーが飲み放題となる、「ワンベロ・ツーベロ専用シート」を発売。飲み放題専用シートの開発で、焼き肉で飲みたい人のニーズに応えている。
さらに、焼肉ライクでは焼き肉チェーン初の代替肉のメニュー化を、20年に実現。現在、「NEXT大判カルビ2.0」という商品を全店に導入しており、代替肉が気軽に楽しめる唯一のチェーンとなっている。
このように焼肉ライクでは、単に安価で焼き肉を提供するだけでなく、大食い、センベロ、大豆ミートと、さまざまな嗜好を取り入れた企画を推進しており、ファンの裾野を巧みに広げている。
焼き肉定食をメインに提供する有力な競合チェーンも、今のところ出現していない。焼肉ライクはなぜ独走できるのかを探ってみた。
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