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コロナ禍でも店舗数が約3倍! 「焼肉ライク」の“強運”とライバル不在のビジネスモデル:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)
焼き肉のファストフードという新ジャンルを開拓した、「焼肉ライク」がコロナ禍でも店舗数を約3倍に増やしている。意図せずしてコロナ禍のニーズにマッチした業態となったことが追い風となった。なぜ独走状態なのか。
しばらくは焼肉ライクに敵なし?
最初に1人1台の無煙ロースターを設置したマイ焼き肉スタイルを世に問うたのは、17年オープンのルクア大阪(大阪市)にある「やきにく萬野」と記憶するが、同店は「プロの肉屋がうなる究極の肉料理店」を目指していて、焼肉のファストフードを志向したわけではなかった。
焼肉ライクは やきにく萬野をベンチマークしつつも、素人でも調理できて多店舗展開できるビジネスモデルにつくり変えた。
実力派のトリドールは丸亀製麺、物語コーポレーションは焼肉きんぐと丸源ラーメン、ワン・ダイニングはワンカルビがそれぞれコロナ禍でも順調なので、ひとり焼き肉、焼き肉定食の業態を特に今、急拡大する必要性もなさそうだ。
追いかけてくる強力なライバルもないので、焼肉ライクのひとり旅は当面続くだろう。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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