コロナ禍でも店舗数が約3倍! 「焼肉ライク」の“強運”とライバル不在のビジネスモデル:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
焼き肉のファストフードという新ジャンルを開拓した、「焼肉ライク」がコロナ禍でも店舗数を約3倍に増やしている。意図せずしてコロナ禍のニーズにマッチした業態となったことが追い風となった。なぜ独走状態なのか。
焼肉ライクを脅かす存在は?
焼肉ライクを脅かしそうなチェーンはほとんど見当たらない。
「丸亀製麺」のトリドールホールディングスが展開している、「切り立て焼肉専門店 肉のヤマキ商店」は全国に23店あり、注文を受けてから顧客の目の前で肉を切って調理する、鮮度の高さが特長。顧客がセルフで焼かない。
価格も、焼き肉が含まれた定食で800円くらいで、カルビ焼き肉丼の中サイズが680円となっていて手頃だが、どちらかというと焼き肉丼の店という感じだ。
トリドールが本気で力を入れてくると恐ろしいことになりそうだが、現状はうどんに注力しているので、ショッピングセンターのテナントやフードコートで、じわじわと拡大しそうだ。
「焼肉きんぐ」を展開する物語コーポレーションが、21年4月に出店した「焼肉 かるびとはらみ」は、カルビとハラミに絞った焼き肉定食の専門店。焼き肉、ごはん、スープ、キムチがセットになっている。ごはんはランチがお代わり自由、ディナーが大盛無料。希望者はごはんを「きゃべサラ」に変更可能で、ロカボに対応している。
ランチは「カルビランチ」が649円、「かるびとはらみランチ」が869円など。ディナーは「かるびとはらみセット」が1078円、肉200グラムの「大盛りかるびとはらみセット」が1188円などとなっている。
現状は埼玉県ふじみ野市に1店あるだけだが、ランチはウェイティングが出る日もある。「焼肉きんぐ」と立地で差別化して多店舗展開してくる可能性がある。
関西で人気が高い焼き肉食べ放題「ワンカルビ」のワン・ダイニングが、21年12月に出店した「ひとりカルビ1965」はどうか。ランチはごはん、スープ、キムチが付いた「ハラミ定食」(950円)などを提供しており、焼き肉定食の店だ。
夜は単品を中心にした焼き肉酒場のような感じになる。単品メニューは「特製塩ホルモン盛り」「ピリ辛にんにく1本カルビ」(各660円)など。お酒では、席ごとにレモンサワーのサーバが設置されていて1時間500円で飲み放題と安価なのも売りだ。この店も現状は大阪・梅田のかっぱ横丁に1店あるだけだが、満席も珍しくない流行っている店だ。
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元「雨上がり決死隊」で、現在はユーチューバーの宮迫博之氏が高級焼き肉店「牛宮城」をオープンした。経営の支援をしているのは、ハンバーガー店などを経営する“実力者”。高級焼き肉店のビジネスモデルを分析する。
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