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3割減収でも最高益のファーウェイ、切り札は300人の「天才少年」と3兆円の研究開発投資浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/6 ページ)

2019年に米国に輸出規制を発動され、「生存」が最重要ミッションとなったファーウェイが21年決算を発表した。売上高は前年比28.6%減だが、純利益は同75.9%増で過去最高。カナダで3年近く軟禁生活を経た孟晩舟副会長が、4年ぶりに決算会見に出席し、最悪期を脱したことを示唆した。

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カナダで拘束された孟晩舟副会長が出席

 米国の規制を受けるファーウェイの業績悪化は既定路線であり、28日の会見の実質的な目玉はカナダで3年近く軟禁されていた孟副会長が4年ぶりに決算会見に出席することだった。

 自身を巡る一連の事件について質問された孟副会長は「不在の間に中国は大きく変化した。中国の変化についていけるよう学び続けている」と述べるにとどめた。

 18年12月にカナダの空港で拘束された後、米司法省に詐欺罪などで起訴され、身柄引き渡しを巡って審理が続いていた孟副会長は、司法取引によって21年9月に釈放され帰国した。

 同じころ不動産大手の恒大集団が経営危機に揺れており、孟副会長釈放のニュースは日本では目立たなかったが、中国では英雄扱いだった。

 創業者で父の任正非CEOは77歳、後継者問題がくすぶり続けている。拘束前は目立つ振る舞いを避けてきた孟副会長だが、今回表舞台に立ったのを機に、ファーウェイの顔として存在感を高めていくかもしれない。


4年ぶりに決算会見に出席した孟副会長。米国から最先端の技術を封鎖されたファーウェイは、研究開発への投資を大幅に増やしている

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