290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/7 ページ)
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。
びっくりドンキーの朝食
ハンバーグレストランとしてアレフ(札幌市)が全国展開するびっくりドンキーでは、コロナ禍でモーニングを開始。従来の営業開始時間は午前11時だったが、午前8時に繰り上げている。
2020年4月に宮城県の7店で実験的に取り組み、10月には東北地方の直営23店に本格導入した。21年に入って全国に導入店を広げ、7月には101店まで拡張、10月5日には140店までになった。現状は、全国に300超の店舗があるうちの約半数の160店(22年3月30日現在)にまで到達した。
モーニングで中心になっているのは、従来150グラムや300グラムで提供していたハンバーグの分量を、100グラムに縮小した「ミニマムバーグディッシュ」(単品520円、セット630円)。
ハンバーグは、追加料金を払ってチーズバーグ、おろしそバーグ、エッグバーグ、パインバーグに変えられるようにしている。また、トッピングとしてチーズ、おろしそ、エッグ、パインを加えるサービスもある。
朝食にちょうどよい100グラムというハンバーグのサイズ感で、ごはん、サラダ、みそ汁が付いている。“ほどほど”の量がポイントだ。
もう1つの柱として、トーストセットがある。トースト、ゆで卵、ドリンクがセットになって330円。サラダを付ければ440円だ。セットのプレーントーストは、追加料金を払ってチーズトーストやポテサラトーストに変えられるようにしている。ドリンクは、コーヒーならばアイスを含めて午前11時までお代わり可とした。
ミニマムバーグディッシュとトーストセットのドリンクは、コーヒー、ウーロン茶、オレンジジュース、リンゴスカッシュ、コーラ、メロンソーダ、みそ汁から選択できる。
さらに、21年10月6日からは、「卵かけご飯」(330円)が新メニューに加わった。ごはん、生卵、みそ汁がセットになっていて、ハンバーグソースで食べる。しょうゆではないというのが重要なポイントで、「びっくりドンキー」ならではの味になっている。
店員によれば、ミニマムディッシュとトーストセットの注文数は半々くらいで、たまに卵かけごはんといった感じらしい。現状は、郊外型喫茶やファミレスで多いシニア層があまり来ていないので、それほど混んでいない。しかし、トーストセットで喫茶利用もできることを知った人が徐々に増えている感があり、モーニングを始めた効果が表れてきている。
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