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「高級食パン」ブームは本当に終了したのか? “大量閉店”騒動が隠した本当の姿:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/7 ページ)
「高級食パンのブームが去った」という報道が目立つ。SNSでは“大量閉店”の情報が飛び交う。最新の「高級食パン勢力図」から見えてきたものとは?
コロナ禍の影響も
HARE/PAN、ラ・パン、嵜本、高匠、panya芦屋、本多、レブレッソ、い志かわなども順調に店舗数を伸ばしている。ラ・パン、嵜本、高匠、レブレッソは大阪発祥だ。panya芦屋、本多は兵庫発祥となっており、乃が美や一本堂を含め関西勢が強い。
HARE/PANは埼玉県の南越谷が発祥で、和食に精通した中川透氏(元・名古屋マリオットアソシアホテル「華雲」料理長)の監修。日本の食卓に合う食パンがコンセプトだ。
ラ・パンは大阪の京阪沿線、関目で創業。生地に乳製品と蜂蜜を練り込んだ、高級クリーミー生食パンが売りだ。
嵜本は、母体がチーズタルトの「パブロ」なので、商業施設で伸びそうだ。
高匠は、湯種製法という小麦を湯で捏(こ)ねて低温で熟成させる製法でつくる正統派。
panya芦屋は高級住宅地で知られる兵庫県芦屋市出身。東京の世田谷にも工場を持ち、高級住宅地に強い。
本多は、兵庫県姫路市の発祥。現状は関西、中京、岡山に店舗がある。40種類以上ある「ミニキューブ食パン」という独特な菓子パン的・総菜パン的なミニ食パンが面白い。
レブレッソはコーヒースタンド併設を基本形とし、店内飲食も充実させている。
い志かわは名古屋の高級食パンブームを先導した。東京には荻窪に店舗がある。
俺のベーカリーはかつて8店あったが、5店に減った。俺のシリーズの店は、「俺のフレンチ」なども含めて、東京・銀座など都心部に店舗があり、コロナ禍の影響を大きく受けてしまった。
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