「生娘をシャブ漬け戦略」で大炎上! なぜ吉野家の役員は“暴言”を吐いたのか:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
吉野家の常務取締役企画本部長が、女性向けマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」などと表現して、大炎上している。それにしても、なぜ大手企業の役員がこのような“暴言”を吐いたのだろうか。筆者の窪田氏は……。
好事魔多し
皆さんの会社や職場でも、平時から不適切な発言をする経営者などたくさんいるだろう。そういう人たちはみな「オレは大丈夫」と思っているので、目立つ場所に出されると何かのきっかけでポロッととんでもない失言をするのだ。そして、それは業績好調だったり、新規事業に乗り出したり、改革に乗り出したりとか、会社がいい流れのときによくある。
今回の吉野家もそうだ。そもそも、この役員が早稲田に招かれて講演をしたのは、この人のマーケティング施策がことごとく当たって、会社も業績が回復しているからだ。
4月13日に発表した22年2月期の連結決算をみると、前期の営業損益は赤字だったが、今期は23億6500万円の黒字に転じて、最終損益は81億1600万円の黒字になっている。(参照記事)
そんな矢先の炎上である。企業危機管理の世界では、「好事魔多し」というのは本当のことなのだ。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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