増え続ける「ギョーザ無人販売所」はどうなる? ブームの次を見据えた“新たな戦略”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍で「ギョーザの無人販売所」が増えている。“ブーム”が巻き起こっているが、どんな事業者が参入しているのか。生き残るために打ち出した、新しい戦略とは。
多様なプレーヤーが参入
その他のチェーンも見ていこう。
「雪村餃子」は、雪村が母体。同社は、大手外食・グルメ杵屋傘下で、中華料理を茨城県中心に手広く手掛ける。
「餃子香月」の母体は、1968年創業の焼き肉、和食などを展開する徳島の飲食企業、ふじや。
「50年餃子」の母体は、ラーメンチェーン「一刻魁堂」を経営するJBイレブン。
「福耳餃子」の母体は、福岡で1963年にチルドギョーザの製造を始めた、八洋食品だ。
「神戸餃子楼」の母体は、神戸牛のステーキや焼き肉をメインとする外食企業、イデアコーポレーション。
「三三餃子」は、ギョーザの開発、製造、配送に、「ぎょうざの山八」(福岡でギョーザ製造を手掛ける)が携わっている。
「美味工場委員会」は、コインパーキングのファースト・トラストが出店。「べっぴん餃子」など、宇都宮ギョーザの無人販売を、常磐線沿線の水戸やいわきで行っている。
「大阪王将」を展開するイートアンドホールディングスの動向も見逃せない。同社は、札幌で「札幌みそぎょうざ」という商品を売る、ギョーザの無人販売所「SAPPORO餃子製作所」を提案した。大阪焼き肉・ホルモン「ふたご」を運営するFTG Companyは、「大阪餃子専門店 よしこ」を出店している。
「神戸元町餃子」も、ラーメン「どうとんぼり神座」の系列だ。
これまでは、ローカルな飲食店が出身地から広げてきたギョーザの無人販売所だったが、「大阪王将」「ふたご」「どうとんぼり神座」のような、全国的にも有名なブランドを手掛ける大手の外食が狙ってきている。
別の動きとして、浜松ギョーザでも有数の名店「石松」が、鶏肉ギョーザの「餃子のみつお」という無人販売所を21年7月に出店した。全国的な有名店も無人販売に参入してきた。それが、昨年あたりからの変化だ。
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