ドコモのahamoに「大盛り」 競合対抗の小盛りを用意しなかったワケ:房野麻子の「モバイルチェック」(1/3 ページ)
NTTドコモのオンライン専用プラン「ahamo」が、オプション利用で月額4950円で100Gバイトまで使える「ahamo大盛り」を6月から開始する。
NTTドコモのオンライン専用プラン「ahamo」が、オプション利用で月額4950円で100Gバイトまで使える「ahamo大盛り」を6月から開始する。
ahamo大盛りは、サービス開始以来提供している20Gバイト 2970円/月のプランに、「大盛りオプション」の80Gバイト 1980円/月を加える形になっている。元々プランに付いている5分以内国内通話無料、海外ローミング20Gバイトまで無料、SMSなどは別途料金という内容は変わらない。
ahamoは2021年3月のサービス開始以降、20Gバイト 2970円/月のプランのみを提供してきた。なぜ20Gバイトプランなのかといえば、日本は20Gバイトプランの料金が諸外国に比べて高い水準になっていると、総務省が行った携帯電話料金の調査で指摘されたからだ。
この総務省の注文に応える形で、ドコモはahamo、auは「povo」、ソフトバンクは「LINEMO」というオンライン専用プランを発表。人件費などのコストを抑えることによって20Gバイトで3000円/月を下回る料金を実現した。
小容量プランを用意したauとソフトバンク ahamoはなぜ?
後に、LINEMOは3Gバイト 990円/月の小容量な「ミニプラン」を追加し、povoは、基本料0円で「トッピング」と呼ぶオプションで容量やサービスを加えていく「povo2.0」に変わった。
他社のオンライン専用ブランドが小容量プランを提供し始め、サブブランドのY!mobileやUQ mobileはMVNOに迫る低料金をアピールして「格安スマホ」と見なされるようになっている。それに対してahamoがどのように対抗していくのかが注目されていた。そのため、ahamoが大容量のオプションのみを追加したことは、意外なこととして受け止めた人が業界では多かったようだ。
大容量オプションを追加した理由を、NTTドコモ ahamo推進室長の岡慎太郎氏は「デジタルネイティブでデータ量を使いたい20代、30代に、シンプルなオールインワンパッケージのahamoのコンセプトは支持されている。今回は特に大容量を希望するユーザーに応えるプランを出した」と説明した。
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