マクドナルドのテークアウト/デリバリー成功の要因はどこにあった? 絶好調で時短協力金も辞退: 妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(2/6 ページ)
決算書で分かる日本経済の動向ということで、4回連続で飲食企業4社の決算を取り上げて、日本の飲食企業の現状を見ていきます。今回取り上げるのは日本マクドナルドホールディングス、ハンバーガーチェーンのマクドナルドの国内展開をしている企業です。
業績好調で、時短協力金を辞退
それでは非常にざっくりですがここ数年の業績の推移が分かったところで、21年12月期の業績を見ていきましょう。
売上高は10.2%増の3176.9億円、営業利益は10.3%増の345.1億円、純利益は18.6%増の239.4億円となっています。コロナの影響が出ている中でも非常に好調で、大きな成長を遂げていることが分かります。
さらに直近の22年12月期の第1四半期(1〜3月)までの業績を見ると、売上高は11.1%増の842.8億円、営業利益は4.5%増の96.4億円、純利益は5.2%増の61.1億円となっており、22年に入ってもまだまだ好調が続いています。
ちなみにFC中心とはいえ3割は直営店です、となると時短協力金などの補助金は少なくないと考えられます。しかし決算を見るとその影響はありません。
というのも実はマクドナルドHDは好業績を背景に、時短協力金の受け取りを辞退しているのです。好調な企業の中には、協力金の受け取りを辞退していた企業もあるということですね。
21年12月期の業績についてもう少し詳しく見ていくと、既存店の売上高は前年比9.7%増で、1店舗当たりの平均月商は上場来最高の1800万円と、既存店ベースでの大きな成長が続いていたことが分かります。
その結果、全店売上、営業利益、経常利益で上場来最高となりました。顧客満足度も過去最高水準だとしていますから、かなり経営状態がいいのは間違いないですね。
そして直近の22年12月期の第1四半期(1-3月)でも、既存店売り上げは前年比9.4%増で、四半期ベースだと対前年比で26期連続の増加、と成長は続いています。
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