歌手・リアーナの下着ブランドが大成功 下着のサイズに隠れた“ビジネスチャンス”とは:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(1/4 ページ)
米国で、下着をオンラインで購入する人が増えている。その中でも、歌手のリアーナが立ち上げたブランドが注目を集めている。成功の背景にある、下着のサイズに隠れた“ビジネスチャンス”とAI活用の方法とは――。
近年、米国ではヴィクトリアズ・シークレットのような老舗ランジェリーメーカーが苦戦する一方で、オンラインを中心としたランジェリーメーカーが注目されていることをご存じでしょうか。
リサーチ会社の調査によると、2019〜24年のオンラインランジェリー市場の潜在成長差は644.8億米ドルとのことで、20年の市場は前年比17.27%の成長を記録し、20〜24年まではほぼ18%のCAGRで成長すると予想されています。
中でも、歌手として知られるリアーナの下着ブランドが注目を集めています。Fenty Beauty(フェンティビューティー)という化粧品ブランドの創業者としてビリオネアになったリアーナが18年に作ったSavage X Fenty(サベージフェンティ)という下着専門のECサイトは、前年比200%の成長を遂げたうえ、VIP会員制プログラムも前年比150%の伸びを記録して話題になっています。
実は、このブランドでは、下着のサイズ選びにAIを活用しており、注目を集めている要因の一つとなっています。今回はリアーナのブランドを中心に、ランジェリー業界で活用されるAI技術について紹介したいと思います。
さまざまなサイズに対応するブランド
リアーナのランジェリーブランドSavage X Fentyは、自信と包容力(インクルージョン)をテーマに掲げています。あらゆる性別、体のサイズを想定して作られていることが特徴です。化粧品ラインであるFenty Beautyも同じ路線で人気を博しており、例えばファンデーションの色味だけでも50種類もあり、さまざまな肌色の人のために作られています。
Savage X Fentyは、これまでランジェリー業界で一般的であった細身のモデルではなく、多様なサイズのモデルをキャスティングすることで、よりリアルな一般女性の支持を獲得して瞬く間にオンラインランジェリー業界の主要企業となりました。米国では、ラスベガスなど5店舗を展開しています。
この新店舗開店において大事な位置付けになっているのが、黒人起業家により作られたAIカンパニーであるFit:Match(フィットマッチ)社のAI技術です。
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