歌手・リアーナの下着ブランドが大成功 下着のサイズに隠れた“ビジネスチャンス”とは:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(2/4 ページ)
米国で、下着をオンラインで購入する人が増えている。その中でも、歌手のリアーナが立ち上げたブランドが注目を集めている。成功の背景にある、下着のサイズに隠れた“ビジネスチャンス”とAI活用の方法とは――。
iPhoneを使い“ぴったりサイズ”を測定
「買い物客に最高の体験を提供する方法」として採用された同社のAI技術はどのようなものか、詳しく見ていきたいと思います。
Fit:Matchのボディースキャン技術は、顧客の身体のサイズに合わせた商品を見つけるために役立てられています。報道によると、Savage X Fentyの試着室にこのAI技術が導入されており、顧客は、プライベートな空間でiPhoneを使ってたった15秒でボディースキャンができるとのことです。21年9月から、アップルの新しいLiDAR技術が全ての新型iPhoneに導入され、簡単に3Dスキャンができるになりました。
この技術が導入された背景には、そもそも、下着のサイズ選びで苦労する消費者が多かったことが挙げられます。Fit:MatchのWebサイトによると、80%もの消費者が間違ったサイズのブラジャーを使っていると分かっています。
一般に、ブラジャーのサイズはバストトップとアンダーバストの採寸をしてサイズを選定しますが、この従来の測定方法には課題があると言われています。例えば、消費者が採寸用のメジャーを持ち合わせていないため、そもそも寸法が測定できないこと、採寸したくない消費者がいること、正しい測り方が分からないこと、体形の変化に伴い測定結果が変わることなどです。また、そもそも2Dで測定した寸法が必ずしも3Dである体にフィットするとは限らない点も見逃せません。
そこで、Savage X Fentyでは、こうした課題を解決し、より消費者の身体にフィットした下着を提供するために、Fit:Matchのボディースキャン技術を使って3Dデータを取得することにしたのです。
これまで、あらゆる体形やサイズの何千人もの女性の寸法をスキャンし、実際にブラジャーを試着してもらうことでデータを集めたということです。こうして集められたバストスキャンデータは、AIのトレーニングに使用されたほか、実際に最も体にフィットしたブラジャーのサイズに基づいてグループ化され、3Dサイズチャートとしてまとめられました。
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