東大合格者は毎年500人以上! 鉄緑会「公式ノート」が地味にスゴい:3分インタビュー(2/3 ページ)
東大受験専門塾の看板を掲げる「鉄緑会」が、初の公式ノートを発売した。パッと見たところ「普通のノート」に感じるが、どのような工夫が施されているのか。開発に携わった、KADOKAWAの担当者に話を聞いたところ……。
中学1年生から「ノート作成法」
――鉄緑会では、中学1年生から「ノート作成法」を指導されているようで。具体的に、どんなことを?
関: 先生が授業で教えていることを、ただ板書をして終わりではなく、「自分だけのオリジナル参考書をつくりなさい」と言っているそうです。そのために、どのような工夫が必要なのか。学生のころを思い出していただきたいのですが、ノートに書くとき、真ん中のところに線を引っ張って2分割にしたり、2本の線を引っ張って3分割にしたりしていませんでしたか。
例えば、2分割の場合、このような使い方ができると思うんですよね。左側には、先生が授業で話をしたこと、右側には、自分が間違えたことを記載する。そうすることで、どのような効果があるのか。自分はどういったところで間違えたのか、同じ間違いをしないようにするにはどうすればいいのか、その方策などを書くことができる。
このほかにも、さまざまな使い方ができるわけですが、2分割、3分割する際に時間をかけてはいけません。ノートにはたくさんのドットを上下に設けまして、4分割、5分割にも対応できるようにしました。それだけではなく、定規を使って線を真っすぐ引けるような工夫もしました。
――ん? どういう意味でしょうか? 定規を使えば、線は真っすぐに引けますよね。
関: 筆箱の中に入っている定規は、何センチのモノが多いかご存じでしょうか。15センチなんですよね。しかし、そのサイズの定規だと、ノートの上から下まで一気に引くことができないので、途中でゆがんでしまう。15センチの定規でも線を真っすぐ引けるようにするには、どうすればいいのか。ページの中央に補助ドットを設けたんですよね。
――補助ドットが中継点のような役割をしているのですね。
関: はい。2回にわけて線を引くことになりますが、慣れてくると意識せずに真っすぐの線を引くことができるようになる。線を引くことに気をとられることがなくなるので、勉強に集中することができる。「地味な話だなあ」と感じられたかもしれませんが、こうした機能は生徒に役立つのではないかと思っています。
このほかに、罫線を7ミリ幅にしました。一般的なノートと比べて、やや広いわけですが、なぜそのようにしたのか。文字の上に、フリガナや補足事項を書きやすいようにしたんですよね。また、ドットを左から数えて、5個目、10個目……には、違う形のドットにしました。3分割、4分割するときに、それが目印になるので、素早く線を引くことができるんですよね。
関連記事
- なぜ吉野家は「炎上3連チャン」をやらかしたのか わずか1カ月半の間に
お客様相談室長、常務取締役、採用担当者――。吉野家の炎上が止まらない。わずか1カ月半の間に、なぜ「3連チャン」をやらかしたのか。その背景に何があるのかというと……。 - 知床遊覧船のような「観光ブラック企業」は、どのような特徴があるのか
北海道の知床半島沖で26人が乗った観光船が沈没した事故で、運営会社「知床遊覧船」のブラックぶりが次々と明らかになっている。「観光ブラック企業」にどのような特徴があるのか。知床遊覧船の公式WebサイトやSNSを見ると、そのヒントが詰まっていて……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.