2015年7月27日以前の記事
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まさに混沌 総合メーカーX社が直面した「役員増えすぎ」問題 何がダメだったのか?役員改革が始まった(1/6 ページ)

複数のメーカーが統合して一つの会社となったX社。新組織の設計と人事制度の統合は、新会社が始動するぎりぎりまで続きました。何が起きたかというと……?

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総合メーカーX社が直面した問題

 ここまでの話で日本企業の現状については十分に触れてきた感がありますが、もう一つ事例を紹介しましょう。ある総合メーカーX社の話です。

 X社は、複数のメーカーが統合して一つの会社となりました。多少規模に差があったものの、どのメーカーも大手企業として名が通っており、生まれた新会社は数兆円の売り上げ規模に至りました。

 統合へ向けた作業は難航しましたが、特に、並行して行われた新組織の設計と人事制度の統合は、新会社が始動するぎりぎりまで続くものでした。各社の人事制度がメンバーシップ型もあれば、ジョブ型もあったからです。異なる人事制度を統合する場合、基準の明確性や従業員への説明性の観点からジョブ型で構築することが一般的です。X社でもそうでした。

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写真はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 一般にジョブ型の人事制度を構築する際、トップポジションすなわち社長のポストを起点に、組織の上位から順に職責の大きさを評価していきます。そうすることで、企業の規模や特性を反映しつつ、組織構造や戦略上の重要性などを評価に織り込んでいくことが可能になります。従って、従業員の人事制度設計であっても、社長を含めた経営ポストがすべからく評価されることになります。

 X社でも当時の社長が明確な戦略を描いていたこともあり、同じ階層の経営ポストでもメリハリがきいた評価結果となりました。

 しかし、ここからが話の本質です。

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