価格よりおいしさ重視のスシロー、都市を攻めるくら寿司 「100円皿」危機の中、各社の戦略は:回転すし「10円戦争」時代(1/3 ページ)
回転すしチェーン店の値上げ報道が続いている。水産資源の高騰や円安によるコスト増などから、かつて回転すしチェーン店の代名詞であった「100円皿」も存続が危ぶまれている。スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司はこの状況をどのように受け止め、どのような戦略を立てるのか。話を聞いた。
回転すしチェーン店の値上げ報道が続いている。かつて回転すしチェーン店の代名詞であった「100円皿」にも、変化が訪れている。
スシローは10月1日から、10〜30円の値上げを実施する。一番安い価格で提供する「郊外型店舗」の「黄皿」は、110円から120円への変更となる。
スシローは、1984年の創業時から税抜き100円の「100円皿」を提供してきた。10月でその38年の歴史に幕を下ろす。
「100円皿を続けられないわけではないけれど……」
スシローの広報担当者は値上げの理由について、水産資源の高騰や円安によるコスト増だけでなく、物流費、地代、人件費、水光熱費、設備、建築資材など多岐にわたる項目の価格が高騰していると話す。
「それでも、やろうと思えば、100円皿を続けられないわけではありません。例えば、シャリを小さくしたり、ネタのグラム数を少なくしたり、ネタのスペックを落としたりすれば、100円で提供できないことはないと考えています」と説明する。
しかし、あえて値上げを判断したことを強調して続けた。「私たちスシローは“うまいすしを、腹一杯(いっぱい)”という理念を掲げてきたので、クオリティーを落として100円で販売を続ける判断に至りませんでした。“ここまでおいしくてこの価格”というのを貫き通そうとすると、価格の改定は必要だと考えております」
「他社さまの判断は分かりませんが、私たちはお客さまにおいしいものを胸を張って提供させていただくために、この決断をいたしました。価格改定は10月からでまだ少しお時間があります。値上げについてお客さまに納得いただくことは難しいかもしれませんが、これからもご説明の機会を持てればと思います」
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