仲間の死、脳梗塞に倒れたドラマーの復活 ラウドネスが切り開くビジネスモデルの「誕生前夜」:CDや配信の「次の一手」(5/8 ページ)
デビューから41周年を迎えた日本のヘヴィメタルバンド「LOUDNESS(ラウドネス)」。所属事務所の社長に、コロナ禍以降のラウドネスの活動、ビジネスモデルについて聞く。
功績の一方で知名度は高くない 理由は?
――ビルボード誌のチャートに入ったのは、いつごろだったんですか?
1985年の「THUNDER IN THE EAST(サンダー・イン・ジ・イースト)」と、その次の「LIGHTINIG STRIKES(ライトニング・ストライクス)」の時ですね。
――日本人では坂本九、BABYMETALなどがチャートインしたことで知られていますが、ラウドネスは多くのアーティストがリスペクトしている反面、日本では一般的にあまり知られていません。それは、どうしてだと思いますか?
ラウドネスは、家族みんなで聴いて楽しいという音楽ではないですからね。前編でも述べたような、日本のポップスという意味で、お茶の間に届くほどのヒット曲はありませんから。
それと日本人は、ある程度の年齢を重ねると、仕事で忙しくなったり、家族を持ったりとライフスタイルが変化して、音楽を聴かなくなってしまうんですね。外国ではそういったことがないんですが。
メンバーが居酒屋なんかに行くと「昔、ラウドネスよく聴いていました!」と言われるらしいんですが、メンバーは「今、聴いてね!」と言うそうです。また、最近のイベントなどでも、制作には若い方が多いのですが、「サインください」と来るのは、やはり「昔、聴いていました」という40〜50代の方ですね。
実は、そういう方がいっぱいおられるのですが、ある年齢を境に、好きだった音楽を聴かなくなる「断絶」が起こっています。若い頃はヘヴィメタルが好きで、60歳になったら演歌好きになるかというとそういうわけではないのですが、やはりみなさんの生活が変わるんだと思います。そういう方が、CDを買って、ライブに来てくれるといいんですけどね。
一方で、(ラウドネスのギタリスト)高崎晃や(ドラムだった)故・樋口宗孝が、今やアニソン界のプリンスの異名を持つ影山ヒロノブさんとデビューしたLAZY(レイジー)というバンドでは、当時のファンはもう60歳くらいなんですけど、ライブをやるとそんな奥様方が大勢いらっしゃいます。子育ても終え、家庭的にも落ち着き、時間にもお財布にも余裕があるからかもしれません。
――今回の40周年ツアーに対しては、高崎さんなどのメンバーはどんな意気込みなんですか。
「コロナに負けないで」「音楽の力を信じる」という感じでしょうか。高崎やメンバーが言いたいことは、ニューアルバムに詰まっています。
高崎自体はレイジーのデビューで大阪から東京に出てきた時から全然変わっていなくて、レイジー時代の曲「DREAMER」と、今回のアルバムの曲「OEOEO」の歌詞には相通ずるところもあります。
最近のインタビューでも、これからの夢は「細く長くというより、もう1回、米国でビルボードの上位を取りに行く」と言っていて現状に全く満足していません。だから、これからも作品を出して、ツアーを続けていきます。
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