【全文】「ゆっくり茶番劇」商標登録騒動 ドワンゴは会見の質疑応答で何を語った? 一問一答(3/5 ページ)
動画サービス「ニコニコ動画」などで親しまれてきた「ゆっくり茶番劇」が第三者に文字商標として登録された問題で、ドワンゴが緊急記者会見を開いた。会見内の報道陣からの質疑応答に、ドワンゴはどう回答したのか。一問一答形式で紹介する。
「商標権者本人が放棄を宣言していない」
質問 商標権者と所属事務所が放棄手続きを開始するとの声明を発表している。これに対するドワンゴの受け止めは?
ドワンゴ 当然、Twitterでそのような発表があったことは承知しているが、現在のところ、当社の方針に変わりがないこと、あくまで所属団体の声明なので、商標権者本人が放棄すると宣言していない。その方が放棄するとTwitterで宣言しても、商標権者本人かどうかの確認も取れていないので、そういう情報があるという認識はしているが、特定のアクションは今後になると思う。
質問 ドワンゴが仮に商標を取得し、1つのフォーマットとして浸透したとして、他の動画サービスも同様に商標登録して保護するというような形になる時に、将来的にプラットフォーマー同士の競争の中で商標権を行使するような懸念がある。そうならないようにプラットフォーマー同士で共同で管理するような業界団体などを設立するような可能性はあるか?
ドワンゴ 現状としてはなかなか難しいのではないか。まずは今の法制度では、第三者が個人・法人が登録し、権利を主張するケースしかない。われわれはプラットフォーマーとして世の中に対して責任があり、レピュテーションリスクがあるので、行使すると、自社や関連会社の株価に影響する。そういったところで皆さんに信用いただくのが今の段階では最善。関係各社と話をするのが1つの方法だが、いろいろな人が集まった中での決定はスピードも落ち、調整も大変なので、まずはわれわれだけで先例を作り、みんなでやろうという機運が生まれて、そういったことができるのであれば、そういうことも模索したい。ただ、今の段階ではこれがベストではないか。
過去には「投げ銭」を商標登録も
質問 今回のような騒動は、諸外国でもあったりするのか。参考にした事例があれば。
ドワンゴ 諸外国で参考にしたケースは今回の事例においてはない。参考ではないが、一例として、われわれは「投げ銭」という言葉を商標登録している。こちらは商標権を行使するために登録したわけではないと公言しているが、ネット上で公共のものになっていて、誰かが商標権を主張するリスクのあるものに関する実例になっている。投げ銭でやったことを「ゆっくり」でもやっていくという意味での実例になっているのではないか。
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