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中国テンセント、51%減益でも「ゲーム規制」及ばぬ海外投資に勝機浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/5 ページ)

中国IT大手のテンセント(騰訊)が5月18日、2022年1-3月期の決算を発表した。純利益は234億元(約4500億円)で、国際会計基準での最終減益は10四半期ぶり。中国政府の各種規制が収益を圧迫し、新型コロナウイルスの再流行が追い打ちをかけた。しかしゲーム事業には好転の兆しが見える。

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規制とコロナのダブルパンチ、広告収入2ケタ減

 テンセントの売上高、純利益はいずれも市場予想を下回り、翌19日の香港市場での株価は大幅に下落した。

 失望決算の最大の要因は広告事業の不振だ。同事業の売上高は前年同期比で18%減少し、180億元(約3400億円)だった。

 中国政府は昨夏、教育とゲーム分野に厳しい規制を導入した。教育規制では小中学生向けの学習塾を非営利化し、広告宣伝を禁じた。これまでに大手も含め、学習塾の大半が撤退している。ゲーム分野では未成年のオンラインゲームのプレイ時間を金〜日の午後8時から9時までに制限した。

 これら2分野の広告収入が21年後半から落ち込んでいるほか、テンセントは決算発表のアナリスト説明会で、新型コロナウイルスの流行による経済活動の制限が広告全体に打撃を与えたと説明した。

 中国最大の都市・上海が封鎖されたのは3月末で、4月下旬以降は首都の北京でも飲食店の営業や出勤など経済活動が制限されている。今も経済は先行きが見えず、4-6月期の広告収入は一層落ち込む可能性が高い。


22年1-3月期決算のセグメント別売上高。帯の下から順にソーシャル・ネットワーク、国内ゲーム、海外ゲーム、オンライン広告、フィンテックとビジネスサービス、その他。単位は10億元(出典:テンセント、22年1-3月期決算資料

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