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中国テンセント、51%減益でも「ゲーム規制」及ばぬ海外投資に勝機浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/5 ページ)

中国IT大手のテンセント(騰訊)が5月18日、2022年1-3月期の決算を発表した。純利益は234億元(約4500億円)で、国際会計基準での最終減益は10四半期ぶり。中国政府の各種規制が収益を圧迫し、新型コロナウイルスの再流行が追い打ちをかけた。しかしゲーム事業には好転の兆しが見える。

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海外のゲーム事業、来年以降に期待

 前述したように中国政府は未成年のゲームを厳しく規制し、プラットフォームは対応に追われている。また当局は、21年7月末以降、ゲームのリリースに必要なライセンスの審査を8カ月以上にわたり中断し、新作を出せなくなったゲーム会社の倒産が相次いだ。

 スマートフォンの普及やコロナ禍のステイホームに伴う市場の爆発的成長が一服したことと規制強化で、21年の中国のゲーム市場は6.4%成長にとどまり、中国のゲーム市場の高成長時代は終わったと見られている。

 その環境変化はテンセントの決算にもはっきりと現れており、1-3月期のゲーム事業の国内市売上高は同1%減少し330億元(約6300億元)だった。

 ただ、広告と違ってゲーム事業は底打ちの兆しも見える。今年4月11日、当局は8カ月ぶりに45作品のリリースを許可した。

 テンセントの作品は含まれていなかったが、劉熾平総裁は決算説明会で、「最初に小さな会社に(ゲームリリースのための)ライセンスを渡すのは非常にいい方法。(資金力のある)テンセントは後回しでいい」と述べ、当局が審査を再開したこと自体が、業界全体に好影響をもたらすとの考えを示した。

 テンセントゲームズが今年3月末にリリースした戦略ゲーム「重返帝国」も好調で、4-6月決算に貢献する見込みという。


4-6月決算に貢献する見込みとされる戦略ゲーム「重返帝国」のWebページ

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