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ミニが6年連続の輸入車種ナンバー1に その人気の理由とカラクリ: 鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/3 ページ)
BMWのMINI(ミニ)が6年連続の新車販売ナンバー1を獲得しました。そこには、いくつかの理由が考えられます。そして、その前提としてBMWミニが上位につけるカラクリが存在します。
BMWのMINI(ミニ)が6年連続の新車販売ナンバー1を獲得しました。日本自動車輸入組合が発表した「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移」では、BMWミニは2021年度もトップとなり、16年度から数えて6度目。いわゆる車種別ではミニがトップを取り続けているわけです。販売台数は1万7849台です。
また、メーカー別ランキングを表す21年度の「車名別輸入車新規登録台数」では、BMWミニは輸入ブランドとして5位となりました。ランキング上位は、上からメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、BMW、アウディ、そしてBMWミニと続きます。
ここで注目なのは、BMWとBMWミニの日本の輸入業者は同じ会社。そして、BMWとBMWミニの販売台数を合計すると、5万1461台となり、トップのメルセデス・ベンツの5万0551台を上回ってしまうのです。インポーターナンバー1といえば、メルセデス・ベンツとフォルクスワーゲンの争いが有名ですが、実質の販売数ではBMWグループも、相当に健闘していたのです。
そんなBMWグループの人気を支える大きな存在がBMWミニです。ただし、直近6年はナンバー1ですが、それ以前は、3位あたりが定位置。不動の1位としてフォルクスワーゲンのゴルフが君臨しており、その下をBMWミニは、フォルクスワーゲンのポロやBMW3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラスといったライバルと戦っていたのです。
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