連載
ミニが6年連続の輸入車種ナンバー1に その人気の理由とカラクリ: 鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
BMWのMINI(ミニ)が6年連続の新車販売ナンバー1を獲得しました。そこには、いくつかの理由が考えられます。そして、その前提としてBMWミニが上位につけるカラクリが存在します。
BMWミニが3番手から抜け出したカラクリ
そんなBMWミニが、3番手争いから抜け出せたのには、いくつかの理由が考えられます。そして、その前提としてBMWミニが上位につけるカラクリが存在します。
それは名称です。実のところBMWミニは、ひとつの名前で、複数の車形をそろえます。3ドア、5ドア、ステーションワゴン、SUV、そしてカブリオレです。ステーションワゴン版にはBMWミニ・クラブマン、そしてSUV版にはBMWミニ・クロスオーバーのサブネームも存在します。ところがランキングには、それらの車形すべてが一つのミニとしてまとめられているのです。
ちょっとズルいように見えますが、自動車業界では定番の手法です。トヨタのカローラやヤリスも同じ手法が使われていますし、ゴルフにもステーションワゴンがあったり、ミニバンをゴルフトゥーランとして売っていたこともありました。
つまりBMWミニは、そうした手法を上手に使ってランキングを上げているのです。というか、BMWミニの場合、もともとのミニというイメージが強いため、それを他車形にも上手に展開したというのが流れ。別の名前にすると、元のイメージが使えませんから、ひとつの名前で押し通すのは、ある意味当然の手法といえるでしょう。
関連記事
- 実は日本で一番に売れている「メルセデス・ベンツ」 高級車の象徴はなぜ輸入車ナンバー1に至ったのか?
今、日本で最も数多く売れている輸入車は何かといえば、それは「メルセデス・ベンツ」です。しかし、メルセデス・ベンツが日本で一番多く売れるブランドになったのは、ここ最近の話。かつてのメルセデス・ベンツは「高級車の象徴」であり、販売される数もそれほど多いものではありませんでした。 - ディーゼルはオワコンなのか? 輸入車の現状とハイブリッドとの戦い
電動化が注目されるほどに存在感が薄くなっていくものがあります。それがディーゼル・エンジンです。「ディーゼル・エンジンは消えてなくなる」……と思いきや、世の中は単純ではなかったようです。 - フィアットの新型EV「500e」 が有望な理由 デザインにポイント
フィアット初のEVである「500e(チンクエチェント・イー)」が6月25日より日本で発売となります。確信しました。これはヒットすると。なぜ、そう思ったのか。それはデザインがいいから。 - 今年一番売れたクルマは? ビッグヒットの裏にあるカラクリ
2021年がもうすぐ終わりになろうとしています。この原稿を手掛ける12月上旬では、まだ1年間の集計は出ていませんが、今年のベストセラーカーは、ぼぼ決まりでしょう。それは、トヨタの「ヤリス」です。しかし、今回のヤリスのビッグヒットには、あるカラクリがありました。 - EVは電力不足の敵か救世主か
日本の電力供給体制の脆弱性を明らかにした昨日の電力ひっ迫。ここで気になるのがEVという存在です。電気で走るEVはどのような存在になるのでしょうか。ポジティブなのか、はたまたネガティブなのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.