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“壮大なるチェス盤”の再構築と高まるスタグフレーションリスク:フィデリティ・グローバル・ビュー(4/4 ページ)
世界の秩序が再定義され、スタグフレーションリスクが高まっています。フィデリティ・インターナショナルの運用チームが4〜6月期に重要になると考える3つのテーマと各資産クラスへの影響についてご紹介します。
まとめ
ウクライナ戦争が欧州を中心とした世界経済の成長軌道を混乱させ、解決に向けた道筋と時期の不透明感も根強いことから、スタグフレーションリスクが高まっています。また、この戦争はインフレ圧力をさらに高め、政策当局にさらなる課題をもたらしています。私たちは2022年の初めからリスクを落とし、経済成長の減速とインフレという不確実性の高い環境下でポートフォリオを保全し、インカムを得られる地域、業種、資産クラスに注目しています。
アンドリュー・マカフェリー (Andrew McCaffery)
グローバルCIO(最高投資責任者)として、フィデリティ・インターナショナルの運用部門の責任者を務める。2019年7月入社。それ以前はアバディーン・スタンダード・インベストメンツで戦略投資部門やオルタナティブ部門のグローバルヘッドを務めるなど、資産運用会社などでさまざまな上級職を歴任。30年以上に及ぶ業界経験を有する。
【Outlook】 4〜6月期の投資環境見通し:“壮大なるチェス盤”の再構築と高まるスタグフレーションリスク
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