2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

山形県「羽前小松駅」のしょこら駅長 “ネコファースト”な働きぶりとは? 駅運営のNPOに聞く昼寝も仕事のうち(4/4 ページ)

2007年1月、和歌山電鐵貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)に、日本の民営鉄道初の猫の駅長として「たま駅長」が誕生したことをきっかけに、全国各地で同様の動きが出ている。JR東日本・米坂線の羽前小松駅(山形県川西町)で働く、しょこら駅長もそうした猫の1匹だ。駅を運営するNPO法人「えき・まちネットこまつ」で広報担当を務める細谷絵里子事務局長に話を聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

駅長就任までの経緯とこれから

 しょこら駅長は、もともとはいわゆる野良猫だった。19年5月10日頃に職員に保護されたが、当時は自宅保護が難しく、羽前小松駅の管理駅であるJR米沢駅(山形県米沢市)で一時的に保護することになった。警察や保健所へ拾得届を提出し、飼い主を探していた中で、駅で自由気ままに過ごすしょこら駅長の姿が、利用客の目に止まり「今人気のネコ駅長みたいだね」と、可愛がられるようになった。

ネコ
おとなしくて人間好きな性格もネコ駅長向き

 結果的に、その後も飼い主は現れず、保護から約半年後の同年10月12日、駅前イベント開催時に駅長に就任。駅長としての初仕事である就任式は、豪雨と暴風の中ではあったものの、報道陣を含む約50人の観客に見守られながら行われた。職員手作りの駅長帽を授与され、カメラやインタビューにも物怖じすることなく対応。ネコ駅長としての堂々とした働きぶりを見せつけた。

ネコ
職員手作りの駅長帽をかぶり、キリっとした表情

 駅長就任から約3年。利用客との交流やふれあいにとどまらず、地域のイベントへの参加やSNSでの情報発信など、しょこら駅長の業務は広がりを見せている。だが、どれほど有名になっても、「猫であるしょこら駅長に極力ストレスや負荷をかけたくない」と細谷事務局長。「あくまで“ネコファースト”の姿勢は変えず、これからもネコと人間どちらも働きやすく穏やかな職場環境を目指していきたい」という。

ネコ
あくまでしょこら駅長ファーストな羽前小松駅

 今後の目標について、細谷事務局長はこう語った。「地方路線は利用客の減少が著しいのが現状ですが、しょこら駅長を通して米坂線をPRしていくことで、少しでも多くのお客さまに愛される駅としょこら駅長を目指していきたいです」

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る