山形県「羽前小松駅」のしょこら駅長 “ネコファースト”な働きぶりとは? 駅運営のNPOに聞く:昼寝も仕事のうち(3/4 ページ)
2007年1月、和歌山電鐵貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)に、日本の民営鉄道初の猫の駅長として「たま駅長」が誕生したことをきっかけに、全国各地で同様の動きが出ている。JR東日本・米坂線の羽前小松駅(山形県川西町)で働く、しょこら駅長もそうした猫の1匹だ。駅を運営するNPO法人「えき・まちネットこまつ」で広報担当を務める細谷絵里子事務局長に話を聞いた。
昼寝も大切な“業務”
町民や職員に親しまれる、しょこら駅長。一体、どんな業務をしているのだろうか。主な業務の1つが、駅窓口から利用客が通るコンコースを見守ることだ。業務の傍ら、“昼寝業務”にもいそしみ、寝顔を見た利用客からは笑みがこぼれる。
細谷事務局長はしょこら駅長の公式Twitterアカウント(@chocolat_komatu)の更新も担当。毎日の業務の様子を投稿すると、全国のファンから「お疲れさま」などねぎらいの言葉が寄せられる。地域のイベントのゲストとして町や駅の情報発信に加え、他のネコ駅長とのSNS上での交流なども行っており、そうした功績から21年には「山形ふるさとCM大賞」にも出演。ネコ駅長としての活躍の場を広げている。
しょこら駅長の効果は駅の利用者数にも現れている。しょこら駅長の就任前、同駅の主な利用者数は1日数百人程度で、利用者の大半が地元の高校生だったという。就任後はTwitterなどでの働きぶりが話題となり、駅長を一目見ようと山形県外などからの観光客が急増。利用者数の増加や駅の知名度向上に一役買っている。
細谷事務局長は「待合室では、しょこら駅長をきっかけに会話が弾むなど、利用客同士の交流が増えたこともうれしい効果だ」と話す。しょこら駅長は地域住民にも好影響を与えているようだ。
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