白髪のおじさんがキュートに踊る? 企業がTikTokをやってみて、分かってきたこと:三陽工業とダイキンに取材(2/6 ページ)
TikTokで採用活動を行うのはアリなのか、本当に効果があるのか。大手空調メーカーのダイキンと、「おじさん」TikTokを運営する三陽工業に話を聞いた。採用広報のニュースタンダードを考える。
おじさんTikTokを始めたワケ
――なぜおじさんTikTokを始めたのですか?
小杉: 当社は社員の平均年齢が30代の半ばと若く、若手社員の採用を強化しています。Z世代の採用を強化する中で、当社で1番年齢の高い自分たち経営層が、ただ若者が自社に興味を持つのを待つだけでなく、若者世代の興味関心の的に自ら飛び込んでいく必要があると考えました。
――どのように運営しているのですか?
加賀: 運営は広報が担当し、流行の分析やネタ選定を行っています。毎朝広報と演者でネタ会議を実施し、毎日投稿をしています。
はじめは日本のZ世代の間で流行しているダンスを採用していたのですが、高度な物が多く、難しかったんです。そこから方向転換し、海外ではやっている簡単な動きやネタ的なダンスを投稿したところ、多くの方から反響をいただき、バズることができました。
採用活動で感じたTikTokの影響力
――22年卒から新卒採用を開始しているとのことですが、募集の概要を教えてください。
小杉: 新卒採用では、営業職・経営管理部・採用グループの3職種で募集をしています。求める人物像としては、当社の理念やビジョンに共感していただいていることが第一です。
――採用活動でTikTok効果は感じましたか?
小杉: 22年卒の就活生からTikTokに「新卒採用をしていますか?」というコメントをいただきました。その就活生は実際に選考に進み、当社に入社をしています。
262人の面接受験者のうち、約6割が「TikTokを見たことがある」と回答していますし、新卒採用で入社した6人の内定者のうち3人はTikTokがきっかけになった話しています。
加賀: TikTok開始直後の21年3月は573人だった問い合わせが、TikTokがバズった後の同年9月には718人と1.25倍倍に増加しました。
22年卒はTikTokをきっかけに当社に興味を持つ学生が多くいましたが、23年卒からは、TikTokやそれに伴うメディア露出が増えたことで当社の認知度が高まっていると感じています。
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