「世界はなぜEV一択なのか」 トヨタ社長に“直球質問”してみた 【回答全文あり】(2/3 ページ)
国内外でガソリン車から電気自動車(バッテリー式電気自動車、BEV)にシフトする動きが進む中、人々に「次世代自動車=EV」という認識が浸透しつつあるように感じる。豊田章男社長に「世界はなぜEV一択なのか」と直球質問した。
発電段階でCO2を排出するEV
国内外ではEVシフトがしきりに叫ばれている。確かに、EVそのものからCO2は排出されないが、動力源となる電力の発電段階で、火力発電所などからCO2を排出する。EVは航続距離に加え、充電場所の数が少ない点も課題となっている。
次世代自動車復興センターの集計によると、日本国内の充電スポット数は全国の充電スポット数は1万8270カ所(20年3月末時点)。ガソリンスタンド(GS)の6割にとどまるという。フル充電までに時間がかかることによる充電待ちの懸念や、充電スポットが少ない地方では“充電難民”になるリスクも、弱点として指摘されている。
これに加え、現在、市販されているBEVの多くは高価な車種が多い。例えば、米テスラの低価格帯モデル「モデル3」や日産「アリア」はいずれも500万円台だ。日産・三菱自2社が発表した軽EV「SAKURA」「ekクロスEV」(補助金込みで180万円台)という一部車種を除いて、多くの場合、ガソリン車よりも価格面で劣る。
豊田社長は会見で「自動車というのは全ての方に移動の自由を与えるもの。決して富裕層だけが移動の自由を得るのではない」と発言した。この言葉の真意は、高価な車種が多いBEVを念頭にしたものとみられる。BEVの普及には価格面での課題も解決しなくてはならない。
電力需要のひっ迫を理由に、企業や国民にエアコンの設定温度を28度にするよう求めるなど節電を要求するような国で、EVがどの程度普及するのか。トヨタの水素エンジンの動向とともに、今後注目が集まりそうだ。
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