入社直後に「転職サイト」に登録 過去最多に doda調べ:“転職ネイティブ世代”の台頭
入社直後に転職サイトに登録した新入社員が過去最多――。そんな結果が、転職サービス「doda(デューダ)」の調査で分かった。同社は過去11年間のdoda会員登録者数のうち、新社会人で入社月の4月にdodaに登録した数を分析した。
仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
入社直後に転職サイトに登録した新入社員が過去最多――。そんな結果が、転職サービス「doda(デューダ)」の調査で分かった。
同社は過去11年間のdoda会員登録者数のうち、新社会人で入社月の4月にdodaに登録した数を分析した。その結果、2022年4月にdodaに登録した新社会人は、これまでで一番多かった19年を上回り、調査を開始した11年以降、過去最多となった。また、11年比で約28倍にまで増加していることが分かった。
11年4月にdodaに登録した新社会人の数を1とすると、18年以降、20倍超えが続く。新型コロナウイルス対策として1回目の緊急事態宣言が発令された20年4月は、働く環境が一変したことを背景に、登録者は減少したものの、その後は右肩上がりの状態が続き、22年4月は、対11年比で過去最高となる約28倍にまで増加した。
理由について、doda編集長の喜多恭子氏は、「新社会人の価値観の変化」を挙げる。
「18年から19年にかけて『終身雇用の崩壊』が叫ばれたことをきっかけに、働き方やキャリアについて考える人が増加しました。世の中の変化を受け、18年度以降に入社したZ世代と呼ばれる人の『はたらく価値観』は、“1社でキャリアを積み、昇格や昇進を目指す”形から、“転職や副業などを通じ複数社で経験を積み、キャリアアップを目指す”形へと変化しました」
22年度に入社した新入社員は、新型コロナの感染拡大など、先行き不透明な状況の中で将来について考える必要に迫られている。
「これらの結果から、入社をゴールとせず、中長期的な視点でキャリアを見据える人が増加。情報収集のために早い段階から転職サイトに登録する動きが加速し、登録者が今年過去最多になったと考えられます」と喜多氏は説明する。
喜多氏は、「就職活動時から転職を意識する“転職ネイティブ世代”が台頭することが予想される」とし、4月の新社会人の登録は右肩上がりで増加すると見込んでいる。
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