JR東、不要な衣服を駅で回収 「一風堂」などのユニフォームに再生:駅を環境エコ拠点に
JR東日本グループのJR中央線コミュニティデザインなどは、アパレルブランドを運営するオールユアーズと協業し、不要になった衣服を回収し再利用化する実証実験を始める。
着られなくなった衣服、JRの駅で回収します――。JR東日本グループのJR中央線コミュニティデザイン(東京都小金井市)とJR東日本スタートアップ(東京都港区)は、アパレルブランドを運営するオールユアーズ(東京都世田谷区)と協業し、JR中央線の駅や駅ビルで、不要になった衣服を回収し、再利用する実証実験を始めると発表した。
「MAWASU STATION」と銘打った取り組みで、不要になった衣服を再利用・資源化し、再び必要なものに生まれ変わらせる仕組みだという。
今回、JR中央線や南武線の各駅、JRCCDの駅ビルを回収拠点にし、回収した衣服にメンテナンスや抗菌加工を行い、企業ユニフォームなどに再利用する。再利用が難しい衣服は、有機物分解処理で次の製品の原材料として資源化し、再生利用するという。
回収の対象は、不要になったトップスやボトムス。回収した衣服は、ラーメンチェーン「博多一風堂」で社会貢献活動を行う「一風堂グローバルクラブ」の会員ユニフォームに採用するほか、無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」でのスタッフユニフォームなどとして、試験導入する予定だ。
衣服を有機物分解する専用装置「Umore」とは
着なくなった衣服の資源化に用いる有機物分解装置「Umore」は、磁力を応用して有機物を分解処理する。 強い磁場を通した空気と熱を与えることで、有機物の分子結合が弱くなり「燃焼」を伴わず、急速に酸化・分解を進めることができる。燃焼を伴わないため、ダイオキシンやCO2、塩素ガスなどの発生量を環境基準値を下回る数値に抑えられるという。
回収は、JR中央線の武蔵境駅、東小金井駅、西国分寺駅、JR南武線の稲城長沼駅の計4駅と、JRCCDの駅ビル、セレオ国分寺で実施する。回収期間は7月1日〜9月30日。
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