4人に1人が利用 広がる「キャッシュレス割り勘」とは?:今後も普及する見込み
近年、割り勘もキャッシュレス化が進んでいる。暮らしの情報サイト「ナビナビ」は、「キャッシュレス割り勘に関する意識調査」を行った結果、4人に1人がキャッシュレス割り勘を利用していることが明らかになった。
仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
飲食店などで、会食の参加者がそれぞれ金額を出し合う「割り勘」。近年、割り勘も現金を用いないキャッシュレス化が進んでいる。エイチームライフデザイン(名古屋市)が運営する暮らしの情報サイト「ナビナビ」は、「キャッシュレス割り勘に関する意識調査」を行い、645人から回答を得た。その結果、4人に1人がキャッシュレス割り勘の利用経験があることが明らかになった。
まず「代表者(まとめて支払ってくれる人)に割り勘した金額を渡す際、キャッシュレスを利用したことがあるか」と尋ねたところ、「はい」は25.4%、「いいえ」は74.6%という結果になった。
「はい」と回答した理由を尋ねると、「支払いまでの流れをスムーズにしたかったから」が45.1%で最多となり、「計算する手間を省きたかったから」が33.5%と続いた。
「いいえ」と回答した人で最も多かった理由は「メインの決済手段が現金だったから」(47.0%)。まだ現金での決済をしている人が多くいることが分かる。
次に「メインで利用している決済手段」について尋ねた。結果は「クレジットカード」(40.5%)と回答した人が最も多く、以降「現金」(36.3%)、「スマホ決済」(16.9%)と続いた。スマホ決済の利用率の低さを考えると、キャッシュレス割り勘を利用したことがある人は意外にも多いことがうかがえる。
「最も利用しているキャッシュレス割り勘の決済方法」を尋ねたところ、「PayPayで個別に送金/受取」(34.1%)、「PayPayのわりかん」(18.9%)、「LINE Payの割り勘」(13.4%)を利用している人が多かった。
経営コンサルティングを手掛けるスキラージャパン(東京都中央区)取締役の伊藤亮太氏は今回の調査結果について「コロナ禍で外食や旅行などが以前に比べ減少している中、キャッシュレス割り勘を25%の人が利用していることは驚きで、想定以上の普及率」とコメント。「日常生活が正常化へと戻る中で、キャッシュレス普及はさらに進む可能性があるが、気軽に利用できるため使いすぎる可能性もあり注意が必要だ」と指摘している。
調査は5月20〜21日、ジャストシステム(fastask)によるインターネット調査で実施。対象は全国の15歳以上の男女で、サンプル数は645人。
関連記事
- 刺身に電気を流して「アニサキス」撲滅 苦節30年、社長の執念が実った開発秘話
魚介類にひそむ寄生虫「アニサキス」による食中毒被害が増えている。この食中毒を防ぐため、創業以来30年以上に渡り、アニサキスと戦い続けてきた水産加工会社がある。昨年6月、切り身に電気を瞬間的に流してアニサキスを殺虫する画期的な装置を開発した。開発秘話を社長に聞いた。 - 使いやすさより可愛さ! 台湾で立体型の交通系ICカードが大ヒットするワケ
改札機にかざすだけで列車に乗れ、店舗での買い物にも使える交通系ICカード。カードだから当然、フラットな形をしているが、お隣の台湾では少し事情が違う。フラットではなく、キャラクターなどをあしらった立体型のカードが主流だ。日本でいま話題のヤクルトや、森永のミルクキャラメルの箱を模したものなど、企業とコラボしたユニークなアイテムがそろう。いったい、なぜ作ったのか。そこには、日本企業にも参考になる、常識を覆すものづくりのアイデアと、確たる販売戦略があった。 - 新幹線から富士山見やすく――JR東海、車内スペースを改良 狙いは?
JR東海は東海道新幹線の最新車両「N700S」を2023〜26年度にかけて、追加で19編成投入すると発表した。追加投入にあたり、車内スペースを一部改良。多目的室の窓の高さを変更し、車いす利用者がより景色を楽しめるようにする。改良の狙いを担当者に聞いた。 - 「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気?
「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」――。大手家具メーカーの”看板商品”とも言えるぬいぐるみの人気のわけを探る。 - 味の素“シンプルすぎる”レシピ 10年前に開発したメニューがいま大人気の訳
味の素が開発したレシピが「シンプルすぎる」と大きな話題を呼んでいる。豚ひき肉のかたまりをマヨネーズで味付けし、そのまま焼くだけ――。Webサイトにアクセスが集中し、一時パンクするほどの注目を集めたレシピは、2010年に開発したもの。なぜいま、反響を呼んでいるのか。開発した経緯などを担当者に聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.