エアコンは「24時間つけっぱなし」がいい? 有効な節電対策、シャープとパナの見解は:初の電力需給ひっ迫警報(2/2 ページ)
東京電力管内では6月27日、気温上昇に伴う冷房などの利用増で電力需給がひっ迫する恐れがあるとして、経済産業省は同管内の企業や家庭に対し節電の協力を呼び掛けている。
エアコンは「24時間つけっぱなし」がいい?
「24時間つけっぱなしが最強の節電」――。SNSを中心にたびたび話題となるトピックだが、実際はどうなのか。パナソニックの公式Webサイトではこう説明する。
「エアコンの節電で気をつけたいのは、電源をこまめにオン・オフしないこと。エアコンが電力を多く消費するのが起動時だからです。なので、30分程度部屋を出る際などにいちいち電源を切らず常時つけておくのは有効ですが、長く家を空けるときは電源をオフに、タイマーもうまく活用して必要な時間だけエアコンを利用してください」
30分程度の外出であれば、つけっぱなしで問題ない。より長時間家を空ける際は電源を消した方がいいようだ。
同社はこのほかにも、運転効率を最適にキープするために2週間に1度のペースでフィルターの掃除ができるとベストだと指摘。また、「風向き」も重要だといい、冷気は下にたまるため、冷房時は風向きを水平に保つことで、電気代を抑え室内の温度ムラ解消につながるという。
窓にはカーテンやブラインドを
シャープの公式Webサイトも同様の節電対策を説明する。
エアコンは、電源を入れて部屋を冷やし始める際に一番多くの電力を使用するとし、「頻繁に入/切をくり返すと、そのまま連続運転していた場合よりも、かえって節電にならないことがある」と紹介している。
冷房作動時の無駄な電力消費を防ぐため、帰宅後は冷房をつける前に、窓を開けて熱を外に逃がすのも有効だという。
冷えすぎを防ぐための温度調節も重要だといい、「冷房時は1℃高め」にすることで約10%の電気代節約につながるという。夏場は窓にカーテンやブラインドをすることで約5%の省エネ効果がある。
6月25日に群馬・伊勢崎市で40.2度を観測し、6月としては観測史上初となる40度超えを記録し、今年の夏は平均を上回る厳しい暑さが予想されている。今からでも始められるエアコンの小さな工夫が、熱中症を予防し、節電・節約につながる。
テレワークで7割が「電気代」増加を実感
WEBメディア「テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)が2021年9月に約1000人を対象に行った調査では、テレワークによって増えた出費の最多となったのは「電気代」で74.2%だった。
20年度は67.3%だったが、21年度の調査では7割を超え、他の項目と比較しても圧倒的な結果となっている。作業PC、電気、エアコンの長時間利用が響いているとみられる。
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