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パナソニック、「15兆円」のスポーツ市場で目指すビジネスモデル知らないと損?業界最前線(3/5 ページ)

パナソニックが、現在注力する面白い取り組みの1つがスポーツ関連事業だ。スポーツ庁は、2025年に国内スポーツ市場が15.2兆円に達すると試算。同社はメーカーとして製品を売るだけでなく、継続的に価値を生み出し、長期的に利益を創出できる仕組みを作り出そうとしている。

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 この取り組みのためにパナソニックは、ラグビーチーム「パナソニック ワイルドナイツ」の本拠地を群馬県太田市から埼玉県熊谷市のさくらオーバルフォートに移転。単に備品を納入したり、施設を作るだけでなく、事業計画から構築、そして、施設完成後の運営にも参画している。


EW社の既存の営業部隊が、地域構想から計画、基本設計、施工までを担当。完成した後は運営にも参画する

 具体的には管理棟内の店舗を各テナントなどに貸し出すなどの運営部分を、パナソニックホームズが担当。またグラウンド用の屋外照明や屋外機材、ホテルへの内装建材、アラウーノやジアイーノなど、パナソニックが持つ関連製品を納入し、合計約2億円の売り上げも生み出している。


グラウンドに併設されるホテル総合施設。ここにも多くのパナソニック資材が納入されている

 さらに、施設が完成した後は、カメラAIによるデータ解析やデジタルマーケティング、運営の省力化支援などのリカーリングサービスを用意。継続的な売り上げを確保するとともに、ラグビーを通じた地域振興にも協力するという、長期的な取り組みなのだ。


熊谷駅からさくらオーバルフォートへの移動手段として、地元企業がレンタルサイクル事業も行っている。ここにもパナソニックの電動自転車が納入されている

 EW社は、このようなリカーリングビジネスを日本各地で進めるために、新たにスポーツビジネス推進室を設置。さくらオーバルフォートをモデルケースに、日本全国でスポーツを軸にした地域の価値向上を目指す。スポーツビジネス推進室は、25年度に90億円の売り上げ目標を掲げている。

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