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「非現実的」と反対意見も──“パスタを45秒で作る”ロボが生まれた背景プロントの新業態に導入(3/3 ページ)

6月30日にオープンするプロントコーポレーションの新店舗「エビのスパゲッティ」で、「45秒に1皿パスタを作る」ロボットが実用化される。社内外から「非現実的だ」と反対意見もあったというこのロボットの開発秘話とは。

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 ただし、プロントコーポレーションの社内の声からもあったように、このロボットの開発には高い費用が掛かっている。その分、店舗の運営コストを下げることで相応の効果を得られるのだろうか。

 杉山氏に尋ねると、「コスト削減にはつながりますが、まだ実際の検証はできていません。ただ、間違いなく教育費や採用費は下がると考えております。当社では料理スタッフをアルバイトの学生さんなどが担当することが多くありますが、数年で卒業してしまいます。スタッフが入れ替わるたびに調理をイチから教えるのはすごく大変ですが、それがゼロになるのでかなり負担が軽減します。働く人にとっても『難しかったらイヤだな』という心の障壁がこれまであったと思いますので、その分採用も楽になるのではと思います」と答えてくれた。


提供するパスタのうち3種。左からペペロンチーノ(990円)、カルボナーラ(935円)、ジェノベーゼ(990円)(筆者撮影)

5年で50店舗の導入を目指す

 プロントコーポレーションとTechMagicは今後、P-Roboをプロントコーポレーションの他店はもちろん、その他の企業の店舗にも導入していく予定だという。特に、フードコートや大型店舗などでの活躍を見込んでいる。

 「本来であれば、当社のビジネスの拡大のみにこのP-Roboを活用するのが(ビジネス上)良いとは思うのですが、それよりもこの素晴らしいロボットを活用して、外食業界全体が盛り上がることの方が意義があると考えました。ですので(他社など)さまざまな場面での導入も含めて5年で50店舗での導入を目指しています」(杉山氏)


和風おろし(858円)

 1人の従業員よりもかなり速いスピードで次々とパスタを作るP-Roboは、外食産業の人手不足緩和の第一歩となるだろうか。パスタに限らずロボットの調理が当たり前の世の中が、遠くない未来に実現するかもしれない。

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