洋服サブスクのエアークローゼット、7月29日に上場
月額制ファッションレンタルサービスairClosetを運営するエアークローゼットが創業8期目で東証グロース上場の上場申請が承認された。取り扱う全ての洋服を焼却・埋め立て処分せずにリユース・リセール・リサイクルする“サーキュラーファッション”の基盤を構築し、衣服廃棄ゼロを実現中。
月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を運営するエアークローゼット(東京都港区)は、東証グロース市場への上場申請が承認された。上場日は7月29日。
airClosetは国内在住の女性に対して、スタイリストが一人ひとりの顧客の好みに合わせた洋服を選定(パーソナルスタイリング)し、自宅に向けて配送するレンタルサービスだ。2015年2月からサービスを開始した。顧客は1度に3着の洋服を受け取り、届いた洋服を着用したのちに返却。返却後に次の洋服がまた配送される仕組み。利用後のクリーニング・メンテナンスといった手間は不要だ。パーソナルサービスをサブスクリプションとシェアリングで受け取れるビジネスモデルとなっている。
3月には、Demi-LuxeBEAMSやSNIDELといったブランドを追加し、9ブランドまで拡大。さらに6月からは、最大100着の自分に合ったオススメ洋服をAIによって数秒でセレクトできる新サービスも開始した。買い物前の情報収集に、働く女性が1着あたり3時間55分費やす(エアークローゼット調べ)という「探す時間」の解消を目指す。
大量生産大量廃棄の実態に立ち向かう
22年3月末で、無料会員70万人と月額会員3万2千人が利用しており、7期目の21年6月期実績は、売上高28.9億円、営業利益は3800万円。8期目の22年6月期予想で売上高は33.5億円、営業損失5100万円を見込む。今回の公募によって調達する資金6.7億円は、マーケティングに2億円、レンタル用洋服購入に3億円、採用強化人件費に1.7億円を使う計画だ。
「大量生産によって、一人一人が出合うべくして出合う洋服だけではなくなり、廃棄される服が増えている」この大量生産大量廃棄の実態に立ち向かうと、創業者で代表の天沼聰(あまぬまさとし)氏は語る。
20代から50代までの女性、特に30代・40代の働く女性がメインの顧客となっている。未開拓の男性やシニア、マタニティ、あるいは海外といった新たな顧客を開拓していくのか、上場後に予定される初の決算説明会に注目だ。
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