KDDI通信障害の教訓 「0円」からできるリスク分散とは:房野麻子の「モバイルチェック」(1/3 ページ)
KDDIの通信障害は3日以上続く大規模な通信障害となった。スマートフォン、携帯電話だけでなく、物流や銀行、コネクテッドカーなどにも影響があった。都内の110番通報が1割減になるなど、モバイル通信がまさにインフラとして浸透し、ひとたび通信障害が起これば甚大な影響をもたらす現代社会の課題が明らかになった。
7月2日午前1時35分に発生したKDDIの通信障害。5日の午後3時36分に完全復旧したが、3日以上続く大規模な通信障害となってしまった。スマートフォン、携帯電話だけでなく、物流や銀行、コネクテッドカーなどにも影響があった。都内の110番通報が1割減になるなど、モバイル通信がまさにインフラとして浸透し、ひとたび通信障害が起これば甚大な影響をもたらす現代社会の課題が明らかになった。
携帯電話事業者も、自分たちの事業がすでに社会インフラであり、途切れさせてはならないと深く認識している。しかし、実際に想定外の事態で通信障害は起こっている。
古くから業界を知る人は、通信技術の世代の切り替わり時期に障害が起きやすいと語る。筆者も、4Gへ切り替わる時期は障害が頻発したと記憶している。今回の障害は音声通話VoLTEの交換機で輻輳(ふくそう)が起こり、それが加入者データベースの輻輳を引き起こし、障害が大きくなった。
VoLTEは4Gから使われている技術であり、5Gが原因になったわけではないが、今後、6G、その先へと通信の技術が代替わりする時期に大規模な通信障害が起こる可能性がないとはいえない。ユーザーは、携帯電話ネットワークの障害が起きるかもしれないことを頭の隅に置いておく必要がある。
今回の障害の根本的な原因はまだ明らかになっていないが、障害が発生中の3日間でさまざまな対策、意見が挙げられた。記者会見に参加した報道関係者はもちろん、SNS上でも見られた。
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