ニュース
後払い商品を現金化する“ほぼヤミ金”、狙われる18歳新成人 キャッシュレス決済の行方は?:小売・流通アナリストの視点(1/5 ページ)
経済産業省によると、日本のキャッシュレス比率は3割超。コード決済などが普及したが、浸透率は先進国の中で最低レベルだ。日本のキャッシュレス決済はどうなっていくのか?
経済産業省は6月1日、2021年の国内の決済手段のうち、キャッシュレスの比率が3割を超えたと発表した。キャッシュレス比率とは、決済の際に現金以外のデジタル決済方法(クレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済)で支払った額を、総決済額で割った比率のことである。
このキャッシュレス決済比率は、その国のDXインフラの浸透度を示す指標でもある。そのため、政府はマイナンバーカードの普及と併せて、あの手この手で比率の引き上げを目指してきた。しかしご想像の通り、わが国のキャッシュレス比率3割強というのは、先進国中での最低レベルを脱してはいない。9割超の韓国、6割超の中国には遠く及ばず、欧米も多くの国は4〜5割以上となっており、日本を下回るのは主要国ではドイツ(2割弱)のみである。
コロナ禍での非接触決済ニーズが発生するなどの追い風の下、ポイント還元するキャッシュレス推進事業が実施されて、18年に24.1%だったところを、21年にやっと32.5%まで引上げたという状況であり、まだまだ、その道のりは遠いようだ。
コード決済は増えたのに、なぜ?
個人的な感覚で言えば、コロナ禍かつ、キャッシュレス推進事業の時期を通じて、周囲を見ていてもコード決済の浸透率は著しい。また、日々の買物風景においても多くの人がコード決済を使うようになったのを見ていると「キャッシュレスの比率はもっと増えたのでは?」と思っていた。
関連記事
- “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。 - セブンカフェの期待の新星! 「お店で作る」スムージーがじわじわ話題に
セブン-イレブンが東京と千葉の一部の店舗で販売している「セブンカフェスムージー」がじわじわと話題になっている。お店に設置した専用マシンで作るこの商品に、セブン-イレブンが力を入れる理由とは? - 成城石井、上場へ 消費意欲が下がる中、高価格帯スーパーに勝ち目はあるか?
ローソングループの成城石井が東証プライム市場に上場することが明らかになった。「巣ごもり特需」も消え、食品スーパー各社が苦戦する中、成城石井はなぜ今上場するのか。消費意欲が下がる中、高価格帯スーパーである同社に勝ち目はあるのだろうか──? - 「氷河期の勝ち組」だったのに……40代“エリート課長”に迫る危機
自分をエリートだと信じて疑わなかったサラリーマンが、社内の方針転換により出世のはしごを外されることがある。エリート意識や、能力主義への妄信が生む闇とは──? - au通信障害で起きた“負のスパイラル” 「おかけになった番号は現在……」に至るまで
7月2日、auで大規模な通信障害が発生した。KDDI高橋誠社長ら記者会見で語った経緯や調査状況から分かることとは? ITジャーナリストの本田雅一氏が解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.