朝倉未来がプロモートする「BreakingDown5」 格闘技ビジネスの構造を変えるか?:イベントトップを直撃(2/5 ページ)
朝倉未来さんがプロモートする「1分1ラウンド」で最強を決める総合格闘技エンターテインメント「BreakingDown」。その「BreakingDown」を運営する「バズるブランドを創る会社」レディオブック(東京都渋谷区)の代表取締役CEO・YUGOさんを新進気鋭の経済アナリスト、森永康平さんがインタビューした。
いかにして感情移入させるか
――YUGOさん自身も、格闘家としてのキャリアがありますね。
23歳でボクシングを始め、24歳で田村さんの所に弟子入りしました。それで、1年半後に格闘技団体「DEEP」の大会に出ました。でも、プロ格闘家になることを目的にしていたからか、プロになった瞬間に燃え尽き症候群になったんですよね。
でも25歳で結婚して、28歳で子どもが生まれて、「このままじゃダメだ」と思ったけど働きたくもなかった。だからiPhone修理の個人事業を始めたんですよ。そうやって、さっと格闘技を離れたからこそ、いまの格闘技業界を俯瞰できている部分もあるのかもしれません。
――なるほど。格闘技を客観的に見られるからこそプロデュースができるのかもしれませんね。前回の第4回大会は関連動画も含めれば総再生数2200万回を超えるなど、熱狂的な盛り上がりを見せましたね。
はい、かなり盛り上がったと思います。出場選手を決めるオーディションの動画は3回に分けてアップロードしましたが、合計で1600万回、試合自体の動画が400万回。煽りVTR、インタビューなども200万回以上ですから合計で2200万回ぐらいです。いろいろな人が作っている切り抜き動画を入れたら、再生回数はもっと回っているでしょうね。
――これまで4回やってきて成功した点、改善すべき点はそれぞれありますか?
「1分1ラウンドの戦いは絶対面白い!」と、やる前から思っていたんですけど、実際にやってみたときにどうなるかを確かめる必要がありました。なので、外側をブランディングする前に、試合が面白いかどうかの確認が必要でした。そこをしっかり確認しようというのが前年の課題でした。そのため、いろんな試合を60試合ぐらい試しました。「一般人vs.プロ」とか異種格闘技などもやってみました。
加えて安全性の確認にも時間をかけました。ワンデートーナメントも1分1ラウンドであれば選手に負担がないのかなども含めて試しました。
ABEMAの「朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円」企画が、オーディションをやっていてバズリました。それで、朝倉未来さんが「BreakingDownでもオーディション動画を放送したら面白いのでは?」と提案してきたんですよ。僕もそのオーディション動画を見ていて、TBSの「ガチンコ・ファイトクラブ」を想起したんですよね。ストーリーを見せることによって、いかに感情移入させるか。これが重要だなと思いました。
BreakingDownに出るのはほとんどが一般人です。試合も1分だから、RIZINさんが放送している「RIZIN CONFESSIONS」のようなVTRを作っても、費用対効果が合うのかも分かりませんでした。そこで、オーディション動画ならコストもかけずにストーリー性が作れることを実感できました。
朝倉未来さんのアイデアマンっぷりはすごくて、どんどんアイデアが出てくるんですよ。でも、パっとアイデアが出てくるのは良い一方で、それをしっかりと受け止めて具現化する必要があります。例えば、前回大会では計量も動画にしようというアイデアが、直前に出てきて実現させたのですが、計量動画は少しみすぼらしかったんですよね。いまは反省を生かして、しっかりと朝倉未来さんの打率の高いアイデアに即対応できるチームを組んでいます。
関連記事
- “1分間最強”を決める「BreakingDown5」 全21試合の対戦カードを発表
7月17日に開催する「喧嘩道 presents BreakingDown5」全21試合の対戦カードが発表された。今大会からは女性選手も登場させ、女性の視聴者も取り込む狙い。 - “1分間最強”を決める「BreakingDown5」 21試合中、6試合の対戦カードを発表
7月17日に開催する「喧嘩道 presents BreakingDown5』全21試合中の6試合の対戦カードが発表。話題の選手を登場させることによって、視聴者の獲得を目指す。 - 会場チケットは20万円 “1分間最強”を決める「Breaking Down」、ライブ配信プラットフォームを提供
「1分1ラウンド」で最強を決める総合格闘技エンターテインメント「Breaking Down」は、オリジナルライブ配信プラットフォーム「Breaking Down LIVE」の提供を開始した。独自の配信サービスを展開していくことで、格闘技の面白さをアピールする狙い。 - 会場チケットは20万円 朝倉未来がプロモートする「BreakingDown5」、冠協賛は?
7月17日に開催する「BreakingDown5」の冠協賛に、SNSエンターテイメントが運営するスマホゲーム「喧嘩道」が決定した。 - 那須川天心VS. 武尊「THE MATCH 2022」のドキュメンタリー番組が放送決定 TOKYO MXで7月24日
6月19日に東京ドームで開催する「Yogibo presents THE MATCH 2022」のスポーツドキュメンタリー番組を、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で放送すると発表した。放送日時は7月24日の午後7時から午後9時まで。同社の榊原信行CEOが記者会見で明かした。 - 那須川天心VS. 武尊の“世紀の一戦”がABEMAで無料放送 6月20日午後9時から
サイバーエージェントは、6月19日に東京ドームで開催した「Yogibo presents THE MATCH 2022」で“世紀の一戦”とされた那須川天心選手と武尊選手の試合を、ABEMAで無料放送すると発表した。放送日時は6月20日午後9時から。同社の藤井琢倫執行役員が記者会見で明かした。 - 武尊が無期限休養へ K-1中村拓己プロデューサー「次の時代の格闘技ビジネスのために検証進める」
K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(たける)選手が無期限での休養を宣言した。K-1プロデューサーの中村拓己さんに、THE MATCH 2022をどう振り返っているか、今後の格闘技ビジネスへの考えを聞いた。 - マツコが絶賛した予約殺到の「できたてポテトチップ」! “神がかったうまさ”の舞台裏に迫る
1953年創業の小さなポテトチップメーカー菊水堂。同社の「できたてポテトチップ」はマツコ・デラックスが絶賛したことで話題となった。そのおいしさはどのように生み出されているのか。舞台裏に迫った。 - 好きなハンバーガーチェーン店 モスバーガー、フレッシュネスバーガーをおさえた1位は?
レビューは、日本全国の10歳以上の男女に、「好きなハンバーガーチェーン店」についての調査を行った。好きなハンバーガーチェーン店1位は「マクドナルド」だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.