週3日や時短勤務に「後ろめたさ」を感じる理由 柔軟な働き方を実現するヒントとは?:ワークスタイル4.0へ(1/4 ページ)
働き方のニーズが多様化し、週3日勤務や時短勤務などのワークスタイルが生まれている。にもかかわらず、柔軟な働き方に「後ろめたさ」を抱いてしまうのはなぜなのか。
出会ってから少しずつ心を交わし合い、親友と呼び合える間柄になった子どもたちが、親の転勤によって離れ離れになってしまう。これまで日本のドラマや映画の中で、幾度となくそんなシーンが映し出されてきました。
親の転勤は、子どもたちにとっては抗うことのできない宿命です。それは人生そのものに影響を与えると言ってよいほど大きなインパクトがあるイベントであり、抗えず、かつ誰しもが身近に感じられるからこそドラマ性が生まれる要素でもありました。
しかし、状況は少しずつ変わってきているようです。朝日新聞は6月27日の記事「転勤へ配慮求める社員、6割の企業で増加傾向に 主要100社調査」において、転勤に配慮を求める社員が増えていると答えた会社が100社中58社にのぼるという調査結果を報じました。
全国各地や海外などに拠点があると、人員補充の需要はどこで発生するか分かりません。人員補充が必要な地域があった際、会社が社員を自由に転勤させられる権限を持っていると対応がしやすくなります。そのため社員には、いつでも転勤に応じる覚悟を持つことが求められていました。
そんな勤務地無限定、担当職務も無限定、雇用期間も無限定という会社にとってオールマイティな存在が、俗に言われる正社員です。しかし、会社側はそれだけ強い人事権を持つ代わりに負う責任も大きく、会社にとって不都合が生じたからと安易な解雇は認められず、社内でできる限り雇用継続するよう努めなければなりません。
そこで会社は、社員にオールマイティを求めない代わりに勤務地や職務、雇用期間などを限定した、非正規社員と呼ばれる雇用形態を増やしていきました。それであれば、会社に不都合が生じた場合に契約満了を以って雇用を解除することができます。
ただ、非正規社員は働き手にとって不安定な雇用形態です。夫が正社員として安定した収入を獲得し、妻が非正規社員であるパートで家計収入を補助するという形態であれば大きな問題は生じにくいかもしれません。しかし、主な家計の担い手が非正規社員で働いている場合は、雇用の不安定さが生活の不安定さに直結してしまいます。
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