Yakult1000、爆発的ヒットを生んだ「これまでと一線を画すブランディング」とは:家族向けから脱却(1/5 ページ)
ヤクルトの乳酸菌飲料「Yakult1000」と「Y1000」が爆発的なヒットを遂げている。なぜ、これほどまでの人気を得られたのか。製品の開発秘話からブランディングの秘訣まで、ヤクルト本社の担当者に聞いた。
ヤクルトが販売する乳酸菌飲料「Yakult1000」と「Y1000」が、大ヒットを遂げている。睡眠改善やストレス緩和が期待できる商品で、SNSでも「よく眠れる」「寝起きがすっきりする」など多くの口コミが拡散され、たびたび話題となっている。
予想を超える人気に、宅配サービス「ヤクルト届けてネット」の新規申し込みの受け付けは一時休止しており、小売店でも売り切れていることが少なくない。
なおYakult1000とY1000は、まとめて語られることが多いが、実は別商品だ。主にヤクルトの宅配センターや“ヤクルトレディ”が販売しているものがYakult1000で、小売店経由で販売しているものがY1000。内容物は同じだが、パッケージや容量が少々異なる。
昔から家庭で愛されてきたヤクルトだが、Yakult1000とY1000はなぜ、爆発的なまでの人気を博したのだろうか? 製品の開発秘話からブランディングの秘訣などについて、ヤクルト本社の広報担当者に取材した。
睡眠やストレスに着目したきっかけ
──「よく眠れる」などの口コミで話題になっているYakult1000とY1000ですが、ヤクルトではいつから睡眠やストレスに着目しはじめたのでしょうか?
広報担当者: 1999年、乳酸菌「シロタ株」を400億個含んだ「ヤクルト400」を発売してから、当社はさらなる高菌数・高密度の商品の検討を始めていました。
その時期に、学術分野では脳と腸がお互いに影響しあう「脳腸相関」を示す研究が出始め、研究が進みました。当社の乳酸菌シロタ株も、高密度にすることで神経系に作用することが基礎研究において明らかになりました。
関連記事
- “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。 - セブンカフェの期待の新星! 「お店で作る」スムージーがじわじわ話題に
セブン-イレブンが東京と千葉の一部の店舗で販売している「セブンカフェスムージー」がじわじわと話題になっている。お店に設置した専用マシンで作るこの商品に、セブン-イレブンが力を入れる理由とは? - 話題の“ヤクルト1000”に長蛇の列 日本橋駅に突如出店──そのワケは?
ヤクルト1000が飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている。そんな中、ヤクルトは東京メトロ銀座線・日本橋駅のイベントスペースに突如出店。連日購入者が列をなしている。なぜ、日本橋駅に出店をしたのか。また、ヤクルト1000の売り上げや現在の流通状況はどのようになっているのか。話を聞いた。 - 「氷河期の勝ち組」だったのに……40代“エリート課長”に迫る危機
自分をエリートだと信じて疑わなかったサラリーマンが、社内の方針転換により出世のはしごを外されることがある。エリート意識や、能力主義への妄信が生む闇とは──? - 「底辺の職業ランキング」を生んだ日本 なぜ、差別とカスハラに苦しめられるのか
新卒向け就活情報サイトが公開した「底辺の職業ランキング」を挙げる記事が物議を醸している。記事が炎上した一方で、実際に一部の職業の人たちをさげすみ、差別する人がいることも事実だ。日本社会にはびこる差別とカスハラの正体とは──。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.