「結論から話す」なぜ日本人は苦手なのか 攻略法は?:ビジネスパーソンの6割が苦手意識(1/2 ページ)
ビジネスの現場において、多くの人が結論から話すよう指導を受けているにも関わらず、実際には苦手意識を抱く人が多くいるのはなぜなのだろうか。
先日、あるTwitterの投稿が大きな話題になった。仕事ができる後輩が、話を始める前に「教えてほしいのですが…」「報告なのですが…」「ただの雑談なのですが…」といった前置きをしてくれるから、会話がとてもスムーズに進む――という内容だ。この投稿には20万件近い「いいね」が押され、「めちゃくちゃ大事」「自分も気を付けます」などと、共感する声が多数寄せられた。
「結論から話して」とは、ビジネスパーソンであれば誰しもが1度は指摘を受けたり、気にかけたりした経験があるのではないか。実際に結論から話すことに苦手意識を持っている人はかなりいるようだ。
営業コンサルティングを手掛ける営業ハック(東京都港区)が400人のビジネスパーソンを対象に実施したアンケート調査によると、上司や先輩から「結論から話して」と指摘を受けた経験がある人の割合は、64.0%に上ったという。
なぜ結論から話すのが苦手なのか?
ビジネスの現場において、多くの人が結論から話すよう指導を受けているにも関わらず、実際には苦手意識を抱く人が多くいるのはなぜなのだろうか。
営業ハックは大きく2つの理由を示す。
1つは、学校教育で「結論から話す」ことを意識する機会が少ないことだという。「物語の多くは起承転結。『起』で話が始まり『承』で受けて、『転』で転回し『結』で結論を述べるという4部構成となっています。学生の間に触れてきた文章構成では『結』が最後にきているため、こうした話し方を学んでいない、慣れていないことが理由として挙げられます」(同社)
もう1つは、日本語そのものの構造の影響だという。例えば「I have a pen.」という英語を語順のまま訳すと「私は 持っている ペンを」となる。一方で日本語では「私は ペンを 持っている」という語順になり、結論にあたる述語が最後にくる構造となっている。「日本語の構造にそって無意識に話すと『何が言いたいの』と指摘されてしまうのも必然といえる」と同社は指摘する。
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