「結論から話す」なぜ日本人は苦手なのか 攻略法は?:ビジネスパーソンの6割が苦手意識(2/2 ページ)
ビジネスの現場において、多くの人が結論から話すよう指導を受けているにも関わらず、実際には苦手意識を抱く人が多くいるのはなぜなのだろうか。
どうすれば克服できるのか
では、どうすれば苦手意識を克服できるのか。同社は、結論から話すためには「準備」と「練習」が必要だとし、そのために必要な8つの要素を挙げる。
(1)何を伝えたいかを明確にする
(2)自分の結論を明確にする
(3)相手の理解力や前提を整理する
(4)結論を補足する理由や事例情報を洗い出す
(5)相手に伝わる情報に絞り込む
(6)相手に伝わる言葉に変換する
(7)PREP法などの話の型に落とし込む
(8)結論から話す意識を忘れない
ここに出てきたPREP法とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論」の順で展開する話し方の枠組みのことだ。要点がうまく伝わる話し方としてよく取り上げられる。上記の8点を満たすための準備と練習を重ねることが、結論から話せるようになる近道だという。
営業パーソンが特に心がけるべきことは?
一方で、「結論から話す」際には注意が必要なこともある。とりわけ、営業職に就くビジネスパーソンの場合、「自分の結論ではなく、相手が求めている問いや知りたいことへの回答を最初に話す」ことが重要になるという。
「自分の主張や言いたいことを前面に押し出すほか、聞き手に聞く準備ができていないにも関わらず結論から話してしまっても上手く伝わりません」(同社)
結論から話す場合でも、相手にストレスを感じさせない程度にバランスを取りつつ、結論に至るための「認識合わせ」を前置きとして説明し、結論につなげていくことが重要になるという。
結論から話せるようになるためには、一定の訓練はもちろん、相手に対する配慮や想像力を働かせることも重要な要素となってくるようだ。同社は「コミュニケーションは相手がいて成立するもの。そのことを忘れずに、会話を楽しんでほしい」としている。
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