ブランド失墜――セサミの人気キャラ「黒人の少女を拒否」 誤った対応、経営リスク招く恐れも:企業と人権(1/2 ページ)
米国の人気子ども番組「セサミストリート」をテーマにした遊園地で、黒人の女の子2人をキャラクターが拒否して通り過ぎたように見える動画がSNSに投稿され「人種差別ではないか」との批判が集まっている。遊園地側は「誤解を招いた」として謝罪した。
人気子ども番組「セサミストリート」をテーマにした米国の遊園地で、黒人の女の子2人がキャラクターと触れ合おうとしたところ、キャラクターが拒否して通り過ぎたように見える動画がSNSに投稿された。「人種差別ではないか」との批判が集まり、遊園地側は「誤解を招いた」として謝罪した。これまでも、企業の対応が人種差別的だとして問題になるケースが国内外で発生している。場合によっては、訴訟や不買などの経営リスクにつながる恐れもある。
Instagramに動画が投稿されたのは7月16日。米東部ペンシルベニア州にある「セサミプレイス」で、パレード中に黒人の女の子2人が人気キャラクターのロジータに触れ合おうとしたところ、キャラクターが手と首を横に振り、拒否して通り過ぎたように見える内容が映されていた。
動画を投稿した母親は、このキャラクターが女の子たちに「露骨にNoと言った後、隣の白人の女の子にはハグをした」と投稿。「セサミプレイスには二度と足を踏み入れない」と書き込んだ。
セサミプレイス側は当初、「コスチュームを着たパフォーマーは低い位置が見えづらく、子どものハグの要求に気付けない場合がある」などとし、「意図的に無視したわけではない」と説明したが、これがさらに批判を呼んだ。その後、「この家族が経験したことに心から謝罪する。来場客が楽しめるよう、従業員への訓練を行う」とInstagramに投稿した。
H&Mや日清食品も過去に直面
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