販売絶好調のキャンピングカー いったいどんなクルマが売れている?: 鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/3 ページ)
今、キャンピングカーが売れています。日本RV協会が7月に発表した「キャンピングカー白書2022」によると、2021年のキャンピングカーの売上総額は、前年比109.1%の約635.4億円でした。前年よりも1割近く伸びています。
価格帯は400万〜500万円台
「キャンピングカー白書」では、日本RV協会に所属する販売側だけでなく、ユーザー側のアンケート調査も掲載されています。それを見ると、ユーザーが購入するキャンピングカーの購入金額は、400万〜500万円が全体の26.3%とトップ。次いで、21.5%の600万〜700万円、19.2%の800万〜900万円、15.7%の200万〜300万円と続きます。400万〜700万円の予算での購入が約半数という実態のようです。
ちなみにキャンピングカーのオーナーに「車中にトイレはあるのか?」とたずねたところ、「装備されている」は46.2%、「されていない」は53.8%。最近では「トイレなし」という車両が増加中だそうです。
そんなキャンピングカーで、最後に気になるのが納期です。最近では、普通のクルマでも新車の納期が延びていることが話題となっています。キャンピングカーの場合でいえば、販売店への調査結果では、半年以内と答えたのは、わずか20.4%。7カ月〜1年以内は40.9%。1年1カ月〜2年以内は35.7%。2年以上が3.1%でした。つまり、1年以下というのが約6割、2年までなら約96%。長くても2年以内には手に入ることになります。
過去10年、右肩上がりに増えてきたキャンピング業界は、コロナ禍にあってさらに成長を続けています。国内のニーズもまだまだ高いということ。これからも要注目の業界と言えるでしょう。
筆者プロフィール:鈴木ケンイチ
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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