「関西電気保安協会」とは志向が違う? 関東電気保安協会が7年ぶりテレビCM制作 内容は?:耳に残るCMメロディー
「♪かんさい〜でんき、ほ〜あんきょ〜かい」といえば、関西に在住経験のある人なら誰もが耳にしたことのある、関西電気保安協会の有名なテレビCMだ。実は、関東には「関東電気保安協会」が存在し、今回、7年ぶりに新たなテレビCMを作ったという。果たして、関西とはどんな違いがあるのか――。
「♪かんさい〜でんき、ほ〜あんきょ〜かい」といえば、関西に在住経験のある人なら誰もが耳にしたことのある、関西電気保安協会の有名なテレビCMだ。職員のぎこちない演技と、“関西あるある”を取り入れたユニークな作風で親しまれる。実は、関東には「関東電気保安協会」が存在し、オリジナルのCMも制作している。今回、7年ぶりに新たなテレビCMを作ったというが、果たして、関西とはどんな違いがあるのか――。
「今回、初めてアーティストとタイアップしたCMを制作しました」(担当者)
関東電気保安協会がタイアップしたのは、シンガー・ソングライターのスガシカオさん。8月の電気使用安全月間に合わせ、「電気安全を支えるプロフェッショナル」としての姿を広く伝えるためにスガさんを起用した。新CMでは、スガさんが歌うタイアップソング「灯火」のメロディーに乗せ、保安管理のプロとして電気安全を守る姿をドキュメンタリー風に紹介しているという。
関東電気保安協会は1966年に設立。東京電力管内で、ビルや工場、家庭などで使用する電気設備の点検や保安管理業務を担っている。同様の業務を手掛ける電気保安協会は、関西のほか、北海道、東北、中部、北陸、中国、四国、九州、沖縄と全国に10協会が存在し、それぞれでオリジナルにCMを制作。サウンドロゴもそれぞれ異なる。
関東の新たなCM、筆者も含め関西出身者からすれば、プロのアーティストを起用するなどかなり洗練された印象を受ける。「関西さまとは志向が異なりますので……」と担当者は笑う。
関西は安定のユーモアで訴える
そんな関西電気保安協会では、今年2月に新たなCMシリーズを制作し、同協会のYouTube公式チャンネルで公開した。「彼と、彼女と、関西電気保安協会」と題した全6回シリーズで、全てをつなげた総集編は公開から4カ月ほどで再生回数が197万回に達するなど話題となっている。
「なんで♪保〜安協会のテレビCMは芸能人使わへんと思う?」「芸能人はなんとか砲とかあったら困るやん」「あの清純派女優が禁断のタコ足配線か!?」――などと、おなじみのユーモアが随所に光る。
「関西の皆さまのそばで、日々、電気の安全を守り続けている姿を、多くの方々に知っていただき、より身近に感じていただきたい」との思いから、17年以降毎年Web動画を作っている。関西電気保安協会では、実際に協会職員を毎回出演させており、慣れない演技を見せる職員の姿も見どころとなっている。
協会ごとに作風が大きく異なる電気保安協会のCM動画。地域ごとの“県民性”や特徴を生かしたそれぞれのCMメッセージを見れば、十人十色ならぬ、“十社十色”の広報戦略が見えてくるのかもしれない。
関東電気保安協会の新CMは8月1日から首都圏と山梨、静岡の両県で放送を開始する。同協会の公式Webサイトと、YouTube公式チャンネルでも公開する。
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