ウナギのチェーン店が急増中! 価格が高騰しているのに、売り上げが好調な理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍に入ってから、ウナギのチェーン店が急増している。ウナギのファストフード「名代 宇奈とと」は、約2年で店舗数が7倍に増えた。一方、高級なウナギ料理を提供するチェーン店の存在感も増している。
名古屋の有名店が東京に進出
関西流の地焼きを売りに名古屋から東京に進出してきたのが「炭火うな富士」だ。JR有楽町駅と新橋駅の間にある高架下を再開発した商業施設「日比谷OKUROJI」に、20年9月に進出。3時間待ちの行列も当たり前という超人気のウナギ専門店が東京に出店したと、グルメファンの間で話題になった。
炭火うな富士は、名古屋を代表する外食企業の1つ、かぶらやグループ(名古屋市)の経営。かぶらやグループの岡田憲征社長は17年ほど前からウナギへの進出を考え、社員を養鰻業者に派遣するなどしてウナギの知見を蓄積した。そうした日々の研さんが認められて、後継問題に悩んでいた「うな富士」創業者・水野尚樹氏より声が掛かり、18年4月に同店の経営を引き継いだ。
その直前の18年1月には、うな富士での修業の成果を示す、かぶらやグループとしては初のウナギ専門店「鰻う おか冨士」を名古屋市内にオープンしている。水野氏が確立したうな富士の味を全国に広めるのが、同社のミッションである。
1匹330グラム以上の3Pサイズといわれる国産特大ウナギを使用。それも、20匹に1匹しかいない頭から尾まで脂が乗った身のやわらかい「青鰻」の「新仔」(養殖期間が1年未満)のみを厳選している。1000度と高熱の炭火でじっくりと焼き上げ、外はカリっと中はふんわりとしたウナギに仕上げている。
前出の宇奈とととは対極にあるような、スローなウナギ専門店だ。現在、人々が外食に行く機会を減らしている。たまの外食で「むしろ高質なものを食べたい」といった、コロナ禍に特徴的なプチ贅沢(ぜいたく)の流れもあり、人気になっている。
炭火うな富士はその後、名古屋市内で3店増やして、東京の有楽町店を合わせ計5店となった。有楽町店の価格は、うなぎ丼(4300円)、限定品の肝入りうなぎ丼(5800円)などとなっている。
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