シェアハウス不正融資で終わらない、スルガ銀行が抱えるもう1つの爆弾:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(7/7 ページ)
スルガ銀行は、かつてはその収益性の高さから「地銀の優等生」と評されていました。しかしご存知の通り、18年初頭に「かぼちゃの馬車問題」からはじまるシェアハウス向けの不正融資が発覚します。こちらの訴訟は収束が見えてきましたが、実はもう一つ、一棟不動産ローンが火種としてくすぶっています。
貸倒引当金の戻入がなくなり、アパート・マンション向けのローンの訴訟が
改めて全体を振り返ってみると、現在は以前の利回りの高かった時点の融資が残っており、一定の利益は出ています。
しかし、不正融資の問題が表面化して以降は貸出残高の減少が続き、利回りも悪化しており業績の悪化が続いています。
また、シェアハウスのローンに関しては訴訟が終わり代物弁済が進んでいますが、それ以上に規模の大きいアパート・マンション向けのローンが提訴され、要注意先としている債権が大幅に増加しています。
今後はこのアパート・マンション向けのローンの訴訟の動向によって、大きく業績が左右される状況にあり、非常に大きなリスクを抱えていると考えられます。
そして現在の業績は、このアパート・マンション向けローンによる貸倒の大きな積み増しを、シェアハウス向けローンの債権譲渡による貸倒引当金の戻入という特殊要因によって相殺している部分がありますが、この債権譲渡による好影響は23年の3月期を最後になくなります。
ということで24年3月期以降の業績悪化はさらに大きなものになる可能性がありそうです。
筆者プロフィール:妄想する決算
決算は現場にある1次情報とメディアで出てくる2次情報の中間1.5次情報です。周りと違った現場により近い情報が得られる経済ニュースでもあります。上場企業に詳しくなりながら、決算書も読めるようになっていく連載です。
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